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光と煌
「大丈夫ですか?」
穏やかな声と共に頭に大きな手が乗せられた。
その手を見るように目線を上にあげると銀髪の青年の顔が近くにあった。
「ゎっ…!」
「すみません…驚かせてしまいましたか…」
ヒカル…と呼ばれたこちらの男性も先程のコウと呼ばれた少年とは違うタイプのイケメンだ。
輝くような長い銀髪に隠れた左目。紫色の右目は穏やかな夕方の海のように穏やかさをたたえている。
コウさんがどこかのおとぎ話に出てくる王子なのだとすれば、ヒカルさんはそれを最前列で守る騎士団長…と言ったところだろうか。
「ヒカルったらずるいぞ!迷い人を独り占めして!」
「なんですか…?独り占めなんて人聞きの悪い…」
「もうすぐエムっちが来るんだからさっさと審台に乗せなきゃならないんだぞ!」
エムっち…?それに審台って?
訳の分からない言葉が飛び交う中、私は一人首を傾げていた。