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迷い人と青い目
目が…あってしまった…。
青い目かと思っていた目が実はターコイズ色なことに気づく。
その宝石のような目からから視線が…離せない。
とても長い時間が過ぎたような気がした。
「フフッ…」
唐突に少年が微笑んだ。あまりの眩しさに目を細め、微笑み返すと、後ろから声がした。
「煌。迷い人は一応死人なんですから大声を出してはいけないと言ったではないですか。」
「あっ…ごめんな…今までの人の中でも眠っていた時間が長かったから心配だったんだぞ。」
死人…?私が?
そう思ったのも束の間サッと川から落ちる自分の姿がよぎった。
「ヒッ……」
口から悲鳴にも吐息にも似つかない声が溢れ落ちる。
今更ながら鳥肌が立ち、足元から氷のような血液が流れて心臓を締め付けるのが感じられた。
そうだ…私…入水したんだった。
ツーっと頬に何の感情かも解らない涙がこぼれ落ちた。