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始まり

コメディらしく、楽しく読んで頂けるよう、頑張って行きますので、よろしくお願い致します!

by鬼桜天夜

『、、、ここ、ドコ??』

家にてダラダラと読書をしていて寝落ちしたら、目の前は天井じゃなくて田舎町?

まさかの異世界転移?

ははっ、超笑えねぇ、




これからどうすればいいのぉぉぉぉぉぉぉ!!!










時を遡る事、1時間前、、、


『はーっ!やっぱりかっこいいなぁ!』

質素な部屋は女子の部屋と言うには、少しばかり本が目立つ。モノクロのベッドで寝る彼女は、今日もまた、"あの本"を読んでいた。


『"転生ハーレム"ものは正義だな!』

そう、彼女はハーレムものが大好きなオタク少女なのだ。無論、彼女は色んなジャンルも読むが、本棚の3段中1段をハーレムもので埋め尽くす程には好きなのだ。その中でも転生ものには目がなく、好んで読んでいる。


ガチャッ

母「燐、明日試合でしょ。さっさと寝なさい!」


『はいはい分かったよ』

まったく、別に読書くらい許せよな〜。まぁ中三の引退試合だから、お母さんも楽しみなんだろう。ちょっと続き読んだら寝ようっと。

私も、逆ハーとか、憧れるなぁ、


『1回で、いいから、なって、みたいなぁ、すぅ』



なんで寝落ちしただけで転移するんだよ!!

お陰でパジャマ兼部屋着のパーカーにズボンという男子に見られたら黒歴史と化す格好してるんだけど!

と、とりあえず、人を探して、!?


「お、こんなとこに人が居るけぇ」


『で、』


「?」


『出たぁぁぁぁ!!』



『す、すいませんでしたっっ!会ったばかりの人に出たなんて!』

ビビった、いや、よく考えたら失礼過ぎた。でも、この人、農家さんだよね。それにしても、み、見た目怖すぎじゃない??肌は黒く、いかにも農家という也をしているが、驚くべきはその顔の傷。何かに切られたような、それも彼女が住んでいた世界では有り得ない、大きな剣にでも切られなければ出来ないような傷。それが一層、彼は"怖い大男"という印象を植え付けさせる。


「気にせんでもええ。お前さん、ここいらの出身じゃねぇな?どこから来た」

え、どっどこから来たって、まさかここに日本があるわけないよね。だってこれどう考えたって転移だよね?私前世?の記憶もあるし、服もそのままだし。

なら、一か八か行くしない!


『じ、実は私、記憶が無いんです!』


「、記憶が無い?」

我ながら苦し過ぎる言い訳だな!そのせいか、男の人も顔を顰めてしまった。これは変に話をこじらせたかと考えていると、


『はい、だから、行くあてもなくて、』


「なら、来い」


『、え?』


「早うしろ、もうじき陽が暮れる。そうなったら面倒じゃけ」


『え、あっはい!』

とりあえず、なんとかなった、のかな?ひとまず、今日は雨風を凌げる場所がありそうだ。見かけによらず、優しいのかもしれない。異世界にもちゃんと優しい人がいて良かったと、心の底から思う。


『うわぁ、!』

深い森の木々の間を縫って行くと、辿り着いたのはおとぎ話に出てきそうな石造りの家。隣には川が流れており、水車が職務を全うしている。屋根は赤色をしているのだろうか。長年塗装をしていないため、くすんで茶色に見える。煙突も石で出来ていて、料理の時にはあそこから煙が出るのだろうか。見たことの無いものばかりで心躍る中、彼は私に声をかけた。


「早う入れ」


『え、あ、おっお邪魔します!』

中は石と木の匂いがして、祖父母の家を思い出す。思ったより広く、2階もあるようだ。大きな丸い机が中心に置いており、奥にはキッチンがある。暖炉は今は煤を被っていて、出番を待っているようだった。ごちゃごちゃしているけれど、整頓されている。それが、より親近感を湧かせる。


「話の前にまずは飯じゃ。お前も手伝え」


『あ、はいっ!』


『、、、』


「、、、」

ヤバい、会話がない!あの後、まぁまぁ料理は出来るから料理を手伝い、めちゃくちゃ美味しいシチューを食べていたが、


会話が、何も、無い。



「お前さん、自分の名前は分かるか」


『あ、ハイ!燐と言います!』


「リンか、俺ぁヴィヌス」


『ヴィヌスさん、ですか。よろしくお願いします!』


「行くあてがねぇなら、ここに居な」


『、え』


「ここにゃ獣は()るが、雨風は凌げるだろ」


『住んでも、あえっと、居候して良いんですか、?』


「駄賃分は働いてもらうがな」


『っ!ありがとうございますっ!』

私はテーブルにおでこをぶつける程に頭を下げた。ちょっと掠った気もするけど、なんともない。

お母さん。異世界生活、とりあえずなんとかなりそうです!


『いい夜風だなぁ、』

あれから少し話して、私は屋根裏部屋を使わせて貰うことになった。少々ホコリが多かったものの、掃除を少しすれば全然使える。タンスにベッドに着替えも、生活に必要な物はだいたい揃っているので、本当に助かった。

改めて現状を整理すると、私は異世界転移をしていて、小説の中でもない本当に見知らぬ世界に飛ばされた。私くらいの歳でも働く人は少なくないと言っていたので、お金は頑張れば稼げるが、働いたことのない私が大丈夫なのだろうか。

いや!考えてたって仕方ない!幸い、有難いことに相談出来る人が居るんだ。ヴィヌスさんに明日聞いてみよう。




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