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メタリック・ファンタジー  作者: oga
番外編
90/105

赤井流星 その10

 このリストを上から潰して行けば、ミツマメの野郎にたどり着けんのか。


「……マジかよ」


 俺は、相手に聞こえない位、ちっさい声で呟いた。


「やる気、出しちまったかい。 でもまだ、客先に出せるクオリティじゃないわな」


「何だよ、クオリティって」


「接客とか、言葉遣いがなってないって言ってんのさ。 今日から短期集中レッスンに入ってもらうわな」 

   

 ホシガキは、机の下に置いてあったお玉を二つ掲げて、やかましく鳴らし始めた。

すると、背後の扉が開き、何者かが出てきた。


「ふつーに呼んで下さいよ」


 現れたのは、金髪にジーンズ、スニーカーという出で立ちの男だ。

つか、この世界でジーンズって。

まさか、な。


「エルビス、この子にイロハを叩き込んでやんな」


 エルビスは、無表情で俺のことを一瞥すると、ボソリと言った。


「……分かった」







 宿屋から出ると、エルビスが歩き始めた。

一体、どこに向かうつもりだ?

イロハをたたき込むっつーことは、ホシガキが言ったみたく、接客、話し方、あんなことやこんなことを教え込まれるっつーことだよな?

……どうせ教わるなら、すげー美人とかが良かったわ。

とかなんとか、叶わぬことを考えていると、エルビスが振り向きもせず言った。


「お前、よそモンだろ?」


 ……!

こいつ、やっぱり……


「そういうアンタこそ、違う星から来たんじゃねーの? ジーンズにスニーカーなんて、ここにはないぜ」


「そこの猫カフェで、話しよーぜ」


 





 猫カフェに入り、席に着くと、二足歩行のキモい猫がコーヒーを運んできた。

なんか、俺の思ってた猫カフェとちげーんだが。


「で、何で男娼なんてしてんだよ」


「早い話が、金さ。 短期間で高収入だし、そもそもここの世界の仕事って、体力勝負みたいなのばっかで出来ないんだよな」


 多分、こいつも宇宙船か何かに乗って来たんだろうが、トレーニングをしてなきゃ、筋力は衰える一方だ。

確かに、木を切ったり、そういう仕事はこいつには向いてなさそーだ。


「あと、色白がモテるっぽいよ、ここじゃ」


 ……俺が見込み有り、みたく言われたのは、そういう理由か。


「だからって、よく男娼なんかやるわ。 俺ならぜってーやらねーよ」


「まともにやってたら、続かないと思うけどね」


 ……どういうことだ?

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