赤井流星 その1
コンテストに出すのに10万字必要らしいので、加筆しました
俺は、オードリーの映し出す映像に釘付けになっていた。
トカゲの試合に敗れたメロンパンは、カメラ目線で、最後にこう言った。
「後は、頼んだ、ぞ……」
俺に向けてのメッセージ。
それから少しして、チズル、ヒロハルは囚われの身となり、恐らく、こっちの世界(人間の世界)を侵略する計画も続行中だ。
「……畜生」
そんな言葉が、思わず漏れた。
メロンパンが奴ら魔族を止める事が出来なかったことが、正直、悔しかった。
こうなったら、俺がチズル、ヒロハルを助けに行かなきゃならない。
向こうに行けば、オードリーがいる。
合流して、武装モードを展開すれば、どっかの赤い彗星のごとく、魔族共を一網打尽にできる。
「問題は……」
魔族の世界まで行く方法と、上陸してからどうやってオードリーと合流するか。
俺一人じゃ無理くせーから、仲間が必要だ。
俺は、メロンパンの今までの冒険から、協力してくれそうな奴を思い浮かべた。
そして、すぐにそのメンツは浮かんだ。
「……ボウズ、ハナ、チビか」
ガリクソン、デブは死んじまった。
魔族の船長も、船もろとも大破しちまったし……
今言った三人は、みんなスノーポイントにいるから、まずはそこまで行かねーとだ。
俺は、ソファから起き上がり、身支度を始めた。
「こんなもんでいいか」
俺は、リュックを背負い、宇宙船の出入口から、ゆっくりと足を降ろした。
荷物の中には、コアの塊も入ってる。
少し重てーが、こいつを売れば、500シルバー位にはなるハズだ。
ちなみに、この宇宙船、木に引っかかっていて、地上10メーターはある。
ここの上り下りが毎回ダルいが、一応、体がなまらないようトレーニングしていた為か、難なく地上に降り立つことが出来た。
「ボルダリングのトレーニングが役に立ったわ」
リュックからトカゲよけの香水を取り出し、シュシュッ、と体に振りかける。
連中、これをかけておけば近づいてこねーし、そもそも、そこまで好戦的じゃない。
オードリーが以前通過した道が、わだちとなって残っているため、そこを辿れば森の街だ。




