入場
店内には、ディスプレイなどが掲げられており、スポーツカフェみたいな様相だ。
俺は、人混みをかき分け、地下へと向かった。
「チケットを拝見します」
会場に入るゲートの手前で、係員に呼び止められた。
「俺、これから試合に出んすよ。 何か、聞いてません?」
「お名前は?」
「えーと…… ミナト、です」
「……しばらくお待ち下さい」
チズルが話を付けていてくれてれば、ここを通過できるハズだが。
目の前のスタッフは、誰かと交信中だ。
「ミナト様、確認が取れました。 お入り下さい」
っし!
でも、1人で大丈夫か?
俺が会場内へと足を踏み入れると、一気に広い空間に出た。
スタジアムだ。
「サッカーのスタジアムよりかはせめーけど」
学校の体育館よりかは、広い。
2部リーグっつー割に、人気はかなりのもんみてーだ。
客席がほぼほぼ埋まっている。
俺が、フラフラと歩いていると、見覚えのある奴が現れた。
「オードリー!」
不自然な球体が、客席に紛れ込んでいる。
オードリーも俺に気付いたのか、こちらに転がってきた。
「おっせーぞ、メロンパン。 他のメンバーはどうした?」
「……魔族の奴らの足止めをしてて、ここにはこれねー」
「ふざけんな。 1人で参加したら、暴動になるぞ。 武装モードで、ここの奴らを始末する選択肢もあるが、どうする?」
戦争をしに来たんじゃねーっつってんだろ!
大人しく席について見てろっての。
すると、突然、会場が闇に包まれた。
そして、スタジアムのゲートから、選手が3人ずつ、左右から現れた。
歓声が起こる。
「ゲーム、スタート!」
審判のホイッスルが鳴ると、決勝戦が始まった。
試合は30分で、50ー25でチーム・メタルの勝利。
俺は、最上段の客席のヘリに掴まり、様子を伺っていた。
決勝は終わったが、これからどうすりゃいい?
それに、チーム・メタルのタンクと思しき男。
30分間剣を振り回して、駆けずり回っているのに、後半、一切動きが鈍らない。
「化けモンだ」
あれと、戦うことになんのか?
負けた方のチームが裏へと引き返すと、残ったチーム・メタルのタンクが、マイクを握った。
「今日は、まだこれで終わりではありません。 エキシビションとして、この会場に来ている、特別ゲストと試合をしたいと思います」
巨大なモニターに、俺の姿が映し出された。




