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メタリック・ファンタジー  作者: oga
第五章 魔族の都市
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合流

 奥さんに熊手を渡して、俺は外を彷徨っていた。

連絡を取り合う手段が無いため、ヒロハル、チズルがどこにいるのか、見当もつかない。


「くっそ、ミスったか」


 合流地点を決めておくんだった。

こっちが本物の招き猫だったとしたら、あっちは何だったんだ?

罠だとしたら、やべー気がする。

もっぺん、招き猫を出して、2人を追うか?

そう思った直後、上から何かが迫ってくる気配がした。


「……な、何だありゃあ!」


 でかい鳥。

とんびか?

俺は、巨大な鳥の突進をダイブしてかわした。

明らかに俺目がけて、突っ込んで来てた。


「何なんだよっ」


 起き上がると同時に、剣を抜く。

そして、とんびの突進に合わせ、振るった。

ガアン、と爪と剣が弾ける。

相手はすぐさま上空へと退避。

旋回して、再度、攻撃する構えを見せる。

そんなことをしてる内に、人が集まってきた。

見世物じゃねぇし!


「あはは、鳥に襲われてる」


「うるせっ」


 俺は、一礼してから、剣を振った。

が、出て来たのは、煙り?

スカ、か? 

それに気を取られてる内に、肩を鷲づかみにされ、俺は宙を舞った。


「わああああああーーーっ」







 とんびのやつは、俺をどこに運ぶ気だ?

バッサバッサと羽ばたいて、俺は都市の上空を飛んでいた。

しばらくして、視界に映る中じゃ、一番でかい高層ビル目がけて、鳥が移動しているのが分かった。

このまま進んだら、激突すんぞ!

そう思ったものの、体は強ばり、声を発することすらできない。

いや、考えてみろよ?

肩から爪が外れたら、即死だし。

諦めて、成り行きに任せていると、とんびは最上階にある、ビルの一室に入った。


「ご苦労様」


 そこにいたのは、でかいおっさんだが、ドレスを着こんでいる。

オカマ、か?

最悪な奴の所に招待されちまったみてーだ。


「さ、さびいっ……」


 上空を結構なスピードで飛んできた為か、体がめちゃくちゃ震える。


「……って、お前ら!」


「あんちゃん!」


「ミナト、どうだった?」


 ヒロハルに、チズルじゃねーか!

あのとんびは、俺を2人に会わせるために、運んで来てくれたのか。

状況からして、あのオカマの計らいか。

あざっす。


「こっちは、スラッシュさんの奥さんに会うことができた。 熊手でスラッシュさんを引き上げるっつってたわ」


「そうなんだ。 スラッシュさん、良かったわね。 こっちも話、まとまったわ」


 チズルの説明によると、俺らは今夜、とある地下の会場で行われる、トカゲの2部リーグの決勝に殴り込みで参加することになったらしい。


「……ぶっつけ本番か?」


「会場まではここから車で1時間。 早く向かわないと、間に合わないわよ。 遅れたら、分かってるわね? 車は下に止めてあるから、急ぎなさい」


 ……バーガーにされちまうって話か。

ふざけんじゃねーぞ。


「ヒロハル、チズル、行くぞ!」

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