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メタリック・ファンタジー  作者: oga
第五章 魔族の都市
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反転

 何やかんやあって、俺らは真っ暗な海を進んでいた。


「おじさん、どうなったのかな?」


 ヒロハルが船の後方で、手すりに掴まりながら呟いた。


「わかんねー、何も見えねーし」


 ヒロハルに並び、船が沈んだと思われる方向を見やる。

海は不気味な静けさで、戦いが行われている気配はない。


「……まあ、おっさんだし、心配は無用だろ」


「……だね」


 おっさんだから大丈夫っていう根拠は1個もねーんだけどな。

でも、現状魔族が追ってくる気配はない。


「ねぇ、アレ!」


 その時、舵を握っていたチズルが叫んだ。

俺も船の前方へと移動する。


「おいおい……」


 ぽっかりと空いた穴。

そこに、この船が突っ込もうとしている。


「大丈夫なんでしょ?」


「……のハズだけどな」


 流星の話じゃ、このまま穴に突っ込めば反転して魔族の世界に行ける。

だが、それは常識的とは言えない。

頭がおかしな奴以外は、やろうとはしないだろう。


「いいの? いっちゃうよ?」


「……」


 やるしか、ねーよな。

もし、この穴の先が冷たい地面だったら……

そん時は、化けて出てやるか。


「面舵一杯! 穴の先に、飛び込めっ」


「アイアイサー!」


 チズルが敬礼をして答える。

船は、真っ暗な穴へと飛び込んだ。







「あんちゃん、目、開けて」


 俺は、ナンマンダブツナンマンダブツと唱えながら、デッキの上で手を合わせていた。


「……はっ」


 辺りを見回すと、チズル、ヒロハルが俺に冷めた眼差しを向けていた。


「面舵一杯! とか、格好つけてたクセに」


「う、うるせー! それより、魔族の世界に来れたのか?」


 周りに広がるのは、黒い海。

特段、何かが変わった気配はない。


「どうなんだろ…… でも、あそこ」


 ヒロハルが船の針路を指差す。

よく見ると、無数の光の点々が、はるか先の方に見える。


「街か」


 俺はこういう景色を見慣れていた。

あれは、電気の明かりだ。

俺の元いた世界並に、こっちの世界も発展してるのか?

チズル、ヒロハルはこういう景色を見たことが無いためか、めちゃくちゃでかいランタンの明かりかな? とか言っている。


「説明しても分かんねーだろうけど、あれは電気の明かりだよ」

  

「デンキ…… オーロラのこと?」


 ……そういや、オードリーがオーロラの光のことを放電現象っつってたな。

オーロラと電気はイコールではねーだろーけど、説明できねーわ。


「まあ、そう思っといていんじゃねーかな」


「オーロラを瓶の中とかに入れるのかな?」


「違うわよ。 オーロラを切り取って、窓とかに貼ってるのよ」


 ……全然ちげーし。

ただ、質問されても答えらんねーから、俺は黙ってその会話を聞いていた。

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