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メタリック・ファンタジー  作者: oga
第四章 南極探検
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救援

 それから、どれ位時間が経ったか。

最初は体制を変えないようにと緊張していたが、特別船が傾く様子もない。

俺は、その場にあぐらをかいた。


「ふう。 とりあえず、船が谷底に落ちる心配はねーか」


「うん、大丈夫みたい」


 ヒロハルは大胆にも、横になって楽な姿勢になっている。


「良かったー、僕もあぐらかこっと。 足、痺れちゃったし」


 なぜか正座していたブタが、体制を変えようとしたその時だった。

ミキリ、という音が船内に響く。


「えっ、何々?」


「ブタ、動くんじゃねぇっ!」


 ブタは、腰を宙に浮かせた状態で、固まった。

恐らく、今まで絶妙なバランスをキープしていたのが、ブタが動いたことで、崩れたのかも知れない。


「ちょ、この体制、無理だよ……」


 ブタの額に汗が滲み、膝がプルプルし始めた。


「おめーが俺らの命綱握ってんだ。 ゆっくり、さっきの姿勢に戻せ」


「無理っ、僕、無理!」


 体が浮いた。

ブタが尻餅をつく瞬間、俺は瞼を閉じた。

くそっ、終わった。

最後が寄りにも寄って、こんなダセー終わり方だとは。

 しかし、そこから数秒が経過したが、何も起きない。

うっすら目を開けてみる。


「……ん?」


「あっ、ぶねぇ…… な」


 ブタのケツに手を滑り込ませて、尻餅をつくのをおっさん船長が回避していた。


「あ、ありがとうございます」


「少しはダイエット、考えような」


 助かった……

マジ、命の恩人だわ。


「ほんと、心臓に悪いからやめて」


 チズルがホッと胸をなで下ろす。

場の空気が弛緩すると、今度はチビが口を開いた。


「皆さん、静に。 何か、外から聞こえませんか?」


 チビに言われて、俺は耳をそばだてた。

確かに、くぐもった声? らしきものが聞こえる。

枕を口に当てて、おーい、って言ってるみたいな。

……もしかして、救援?


「助けが来たんじゃねーか?」


「ちょっと、俺見てみるよ」


 ヒロハルが扉に向かおうとした。


「待てって、扉に近づいたら危ねーだろ!」


「でも、この中で自由に動けるのは、俺だけだよね。 重さ的にさ」


「わ、私だって軽いわよ!」


 ……誰もお前が重いとは言ってねーよ。

ヒロハルは扉を開けて、空を見上げた。

すると、上から垂れてきたロープが一本。

 

「崖の上で、誰かが手を振ってる」


 救援だ!

だが、ここから一人ずつ、ロープを上らなきゃならない。


 



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