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メタリック・ファンタジー  作者: oga
第四章 南極探検
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謎の穴

「お前、ぜってー逃げるんじゃねーぞ」


「大丈夫だよ」


 野党ゴブリンを倒してから、自信がついたのかも知れない。

ブタは、真っすぐ俺の方を見据えた。

他のやつらも頷く。

俺は、おっさん船長の所に行って、中を探ってくると告げた。


「気を付けろよ」


「っす」






 基地は、雪かき丸を止めた少し先にある、木造の建物だ。

1階建ての平屋みてーな感じだが、外観から察するに、そこそこ広い。

学校の体育館くらいはあるんじゃねーかな。

ザクザクと雪を踏み越えて、入り口に到達した。


「おじゃましまーす」


 ゆっくり扉を開けて、中を覗く。

……いきなり敵が襲ってくるパターンは無いか。

つか、何で俺が先頭なんだ?


「ブタ、おめー、前出ろよ」


「い、いやだっ」


 んだよ、さっきの威勢、見せろっつの。


「いいから、前歩けって」


 俺が無理やり服を引っ張って前に出そうとするが、ブタは、絶対嫌だ! と足を踏ん張る。

この野郎っ!

俺がムキになっていると、横をコロコロとオードリーが通過した。


「誰でもいいわ。 照らしてやっから、ついてこい」


 オードリーは、光を発して先導を始めた。

助かるけどよ……

こいつに前、歩かせろっつの。

しばらく通路を進み、先の光景を見て、思わず剣の柄に手を伸ばした。


「……死体か?」

 

 オードリーに照らされて、誰かが横たわっているのが見えたが、ピクリとも動かない。

通路で昼寝をしてるやつは、あんまりいないだろう。

夏場なら、ひんやりして気持ちいいけどな。

って、そんなのはどうでもいい。

あんまり、直視できねーけど、絶対死んでるよな?

中が寒くて、腐食はそこまで進んでないみてーだが。

オードリーは、その死体に近づき、スキャンを始めた。


「生命反応なし。 死因は、腹を鋭利なもので裂かれたことによる、失血死」


「爪を持った魔物の仕業、でしょうか」


 爪を持った魔物……

コアで凶暴化したシロクマじゃねーの?


「みんな、気を付けろよ」


「……うん」


 室内の散策を続ける。

個室、台所、トイレなど調べるも、魔物の姿はない。

逆に、死体はそこら中に転がっていて、さすがに気持ち悪くなってきた。

チズルは吐き気を催したため、チビに連れられて一旦外に出た。


「魔物はもういねーかもな」


 俺がそうつぶやくと、オードリーがあるものを発見した。


「不自然な穴を発見。 メロンパン、ちょっと覗け」


 扉を開けた先の、何気ない個室。

そこに、直径3メーターくらいの穴が開いている。

命令口調なのがイラっと来たが、俺は穴を覗いてみた。


「……いや、暗くて見えねーよ」


 俺は、深さを確かめるため、床に落ちていたフォークを手に取って、落としてみた。


「……」


 音が聞こえない。

フォークだから、落ちたら絶対音が聞こえるハズだ。

それくらい、深い穴なのか?

もしこの穴から魔物が来たんなら、塞ぐか何かした方がいいかも知れない。


「……一周したし、おっさんの所に戻っか」


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