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メタリック・ファンタジー  作者: oga
第四章 南極探検
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オーロラ

 雪かき丸の中は、まあ、快適とは言えない。

8畳程度の広さで、ゴザが敷いてあるだけ。

しかも、スピードもあまり出てないみてーだ。


「……これなら、犬ぞりの方が早くねーか?」


「確かに犬ぞりははえーけど、メタルの影響で凶暴化すっからダメなんだよ」


 ……そういうことかよ。

ハムスターなら、凶暴化しても大して怖くねーわな。

俺たちは特にやることもなく、ぼーっと窓の外を見ているだけだったが、突然、空にグリーンのカーテンが広がった。

オーロラだ。


「わあ、すごい! あれ、何?」


 チズルが感嘆の声を上げる。

外の景色に興味なかった奴らも、その声を聞いて、窓にへばりついた。


「幻想的だね」


 ブタが似合わないセリフを言う。


「あれは、天女の羽衣だ。 天女様の機嫌がいいときは、ああやって緑の羽衣をまとって空を散歩するんだよ」


「いいなー、私も羽織ってみたいかも」


 天女の羽衣か。

月のデコボコを見て、ウサギの餅つきだったり、蟹だったり、色々解釈がある。

オーロラも、そんな風に国によって別々な見方があんだな。

すると、後ろからため息のようなものが聞こえた。

オードリーだ。


「……あれはオーロラだ。 太陽風が星の磁場と衝突して起こる現象で、その際発生する紫外線が、酸素やら窒素やらとぶつかって、ああいう色が出る」


 さすが機械だわ。

ジョーチョの欠片もねーやつ。


「君は、あれを見てどう思う?」


 チズルが、オードリーに質問した。


「どう思うって、ただの放電現象だ。 珍しくもなんともねえぜ」


「ダメね。 もっと、ロマンチックな例えをしないと私の心はつかめないわよ?」


「……ふ、フン、別に、お前に好かれようと思ってねーわ」


 しっしっし、とニヤけるチズル。

からかい上手のチズルさんかよ。

そんな話をしている内に、俺たちは昼間の疲れもあって、いつの間にか眠りについていた。







「あんちゃん、起きなよ」


「……くっ」


 気が付くと、車内には誰も残っていなかった。

俺が最後か?


「みんなは?」


「もうとっくに起きてるよ」


 マジか。

俺は、剣を手にして、雪かき丸から降りた。

辺りは薄っすら明るく、既にメンバーが雪原に並んでいる。

ブタより起きるのが遅かったのは、軽くショックだわ。


「よーし、みんな集まったな。 今から、この先の基地に向かうが、修繕を行う前に、中の様子を確認する。 この基地で何が起こったのかを、調べねーといけねー」


 ……どういうことだ?


「あの、聞いてないっすけど。 ここで、何があったんすか?」


 おっさん船長は、少し黙ってから、口を開いた。


「……この基地では、10日くらい前から連絡が取れなくなっていた。 いつもなら、メタルを回収した船が定期的に街に戻って来ていたのが、突然途絶えたんだ。 俺たちは、もしかしたら、魔物の襲撃を受けたんじゃねーか? という仮説を立てた」


「中の人間は殺されて、魔物の巣窟になってる可能性がある、ってことですか?」


 俺も、今チビの言った状況を想像していた。

一気に危険度が上がったじゃねーか!

でも、ここまで来て手ぶらはねーよな……


「ちょっと、相談させてもらってもいいすか?」


 俺たちは、少し離れた場所で輪になって相談を始めた。


「どうする?」


「武器はあるんだし、やってみようよ」


 意外にも、そう言ったのはブタだった。



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