オードリー奮闘
前に2匹、紫と緑のやつがいる。
剣を担いで偉そうにしてんのが大将か?
後ろは草木で隠れてよく見えねーけど、とにかく、剣を取り返すのが先決だ。
俺が、トカゲの大将に狙いを定めた時だった。
「くらえっ」
「……!?」
突然の閃光に、目がくらんだ。
オードリーが、強烈なフラッシュをたいたらしい。
ちなみに、フラッシュ以外にも、スパイク、ヒーター、壁をよじ登る吸盤なんかも、オードリーには内蔵されている。
また、蓋を開けたら中は冷蔵庫だ。
……って、解説してる場合か!
今度は耳元でキュルキュルと地面を擦る音が聞こえ、次の瞬間には、ギャアアアーッ、というトカゲの悲鳴が聞こえた。
うっすら目を開けると、俺は顔をしかめた。
トカゲの大将が、オードリーのトゲで穴だらけになっていて、かなり悲惨な状況だったからだ。
「……同情するわ」
オードリーは、そのまま反対にいるトカゲに狙いを定め、突進。
もしかしたら、あいつだけで全滅できんじゃねーか!?
って、おい!
トカゲは軽快にジャンプでかわし、オードリーはそのまま谷底へと落ちていった。
「あんの、馬鹿野郎っ」
今度は一斉にトカゲ共が俺に狙いを定めてきた。
まさに、天国から地獄だ。
只でさえ足場が悪いのに、足の速さじゃ勝てっこねーだろ!
くそっ、全力で走ってるつもりなのに、あっという間にトカゲに並ばれた。
……一か八かだっ。
「うらあああーっ」
俺は、谷底へとなっている場所目がけ、ジャンプした。
そして、上からぶら下がっているツタに手を伸ばす。
何とかそれを捉えると、宙ぶらりんの状態になった。
ここでやり過ごすか? だが、すぐ下が沼地になっていることに気付いた。
ラッキーなシチュエーションだ。
すかさず、パーカーのポケットからコアを2つ、取り出す。
「ギャアギャアッ」
トカゲ共は、沼地の中に足を突っ込み、ぶら下がっている俺を下から剣で刺そうとしてくる。
ツタがちぎれる前に、雷、ナマズ、とコールし、コアを沼地に投げた。
すると、雷属性のナマズが形作くられ、バシャバシャ暴れ始めた。
トカゲは、いきなり足元に現れたナマズに驚き、手にしていた剣で斬りつけた。
「ギャアアアアアアーッ」
電流が沼地一帯に流れ、その場にいたトカゲはピクリとも動かなくなった。