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メタリック・ファンタジー  作者: oga
第三章 森の街のクエスト
29/105

海沿いの街

 これで俺の手持ちは、合計15シルバーだ。

明日はヒロハルとチズルを劇に連れて行くから、9シルバーは使うことになる。

今から飯食って5シルバー。

金、マジで足りねーな。

明日は自給自足になりそーだ。

森にキノコが生えてるから、それを食うしかねーか。

俺はこのまま、昨日と同じ居酒屋に向かい、キノコ料理のフルコースを堪能し、ツリーハウスに戻った。






「うし、行くか」


 早朝、街の広場に、俺、ヒロハル、チズルの3人が集まった。


「あんちゃん、そんな気合入れなくていーんじゃない」


「うっせーな。 で、港町はどうやって行くんだ?」


 すると、チズルがある方向を指差した。


「あっちの馬車停よ。 とにかく、行きましょ!」


 バス停ならぬ、馬車停には、港町行きの馬車が止まっていた。

既に何人かが馬車に乗り込んでいて、俺たちも3シルバー払ってそれに乗り込んだ。

隅の方に陣取ると、俺はチズルに質問した。


「今日見る劇って、どんな内容なんだよ?」


「よくぞ聞いてくれました。 今日の劇、結構前から楽しみにしてたのよね」


 何やら鼻息を荒くさせ、チズルは語り始めた。


「リメンバーミーは、私の大好きな女優、ユメリーが主演の劇で、あらすじとしては、かつて戦いで亡くなった元カノが、主人公の元に幽霊として現れるって話なの。 でも、主人公は既に結婚していて、元カノの幽霊はそれを知って発狂。 そして、悪霊となり、街の人間に牙をむくっ」


 むくっ、の所でヒロハルに指で形づくった牙を向ける。


「あはは、やめてよ」


 チズルって、劇とか好きなんだな。

てか、そういう情報、どっから仕入れんだろな。そんな話をしてる内に、馬車は出発。

ガタゴトと揺れながら、川沿いの道を走る。

川沿いには、釣りをしている人や、ランニングをしてる人がいて、ここら辺は魔物が出そうな気配はない。

平和だ。


「ふあ~……」


 馬車に揺られてウトウトしていると、いつの間にか港町に到着していた。

劇の場所を、馬車の運転手に聞き、そこへと向かう。


「劇場は海鮮通りを抜けた先だよ」


「海鮮通りね。 ありがと、運転手さん」


 通りは、活気のある市場のようで、様々な海の幸が店頭に並んでいる。

その通りを抜けた先の広場の中央に、劇場はあった。



「めちゃくちゃ人いるじゃん!」


 ヒロハルが興奮し、叫ぶ。


「まだ早朝なのに、すげーな。 チケットはどこで……」


 俺が言い切る前に、チズルがダッシュで列に並ぶ。


「あなたたち、チケット売り切れちゃうわよ!」


「……」


 俺とヒロハルは、顔を見合わせると、噴き出した。






 劇場の中は、思っていた以上に本格的な作りだった。

扇状に席が並んでいて、舞台が一段高くなっている。

暗幕が垂れ下がっていて、劇が始まるまで、もう間もなくとのことだ。

席は自由席で、チズルに連れられ、俺たちは最前列に陣取った。

しばらく待っていると、身なりの整った男が、説明を始めた。


「皆様、お集まり頂き、ありがとうございます! これより、リメンバーミー、開幕です!」

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