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メタリック・ファンタジー  作者: oga
第三章 森の街のクエスト
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木の伐採

 俺は、一番下の積み荷の護衛にしようと考えた。

これが一番報酬が高いし、剣も少しは扱えるつもりだ。

オーナーが気に入らない以外は、うってつけのクエストだろう。

そう思って列に並んでいると、2番目に並んでいた剣を担いだ奴が、受付を済ませこっちにやって来た。

そして、俺の方をチラと見ると、こんなことを言った。


「お前、駆け出しか? なら、上から順番に受けていくことをお勧めするぜ」


「は? 何でだよ。 俺は、積み荷の護衛を受けようと思ってたんだけど」


 男は、俺の腰にある剣を指さして言った。


「そんな刃こぼれした剣を使う気か? それに、体つきを見ても、とても護衛が務まるとは思えないが」


 ……!

言われて気が付いた。

確かに、剣は所々刃こぼれしてやがる。

しかも、俺の体つきを見て、剣士じゃないことまで見抜かれた。

どっちかってと、盗賊って感じだしな。

少しカッとなったが、話を聞く価値はありそうだ。


「だったら、納得するように説明してくれよ」


「積み荷の護衛は、ここから西にあるスノーポイントに向かう道中、野党ゴブリンを退けることが目的となる。 奴らと渡り合うには、一定水準の剣技が必要だ。 最近、お前くらいの若い奴、名前はクラウドだか、クロートだか忘れたが…… そいつがゴブリンに殺されてる」


 …………こいつの言うこと、聞いておいた方がいいか?

ぱっと見、経験者っぽいしな。

だけど、このクエストを上から順に受けてったら、その術が身に着くってのか?

男は、俺の考えを見透かしたかのごとく、説明を始めた。


「このクエストを通して、剣技を学べる。 まあ、やってみれば分かるがな。 金も手に入って、一石二鳥って訳だ。 ついでに、稼いだ金で剣を研ぐか、新調するか、した方がいいぜ」


 そう言い残して、男は去っていった。

…………どーすっかな。







 結局、俺は言われた通り、木の伐採のクエストから受けることにした。

受付に言われ、街の南にやって来ると、大勢の人らが集まっていた。


「よおし、集まったな! 今から、仕事の内容を説明すっから、よく聞きやがれド素人ども!」


 日に焼けた、口の悪いボスが木の伐採について説明を始めた。


「まず、2人一組になって、木の伐採に取り掛かるが、片っぽはベテランで、もう片っぽはおめーらだ。 斧を今から配る。 そんで、ペアを作れ」

 

 斧が回ってくると、それを受け取る。

全員が斧を手にすると、今度はベテランのおっさんが俺等の中から適当なやつを選んで、森の中に引っ張っていった。


「お前は俺とだ」


「ういっす」


 俺を連れてったのは、頭の禿げたおっさんだ。

切り株のたくさんある一帯を進み、一本の木の前で立ち止まった。


「こいつから取り掛かるとしよう。 まず、木を斬り倒す方向だが、街側に倒れるようにしろ。 山側に倒したら、運ぶのがめんどくせえ。 んで、刃の入れ方だが……」


 おっさんは、斧を振り上げ、水平に打ち込んだ。

スコーン、という音がする。

更に、今度は角度をつけて、うち込む。


「こうやって、木を削っていくんだ。 分かったら、配置につけ」


 よーするに、鉛筆をナイフで削るみたいにして、徐々に削り取ってって、最後に倒すって感じか。

俺は、おっさんの対角に陣取って、左右から斧を入れていった。




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