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メタリック・ファンタジー  作者: oga
第三章 森の街のクエスト
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クエスト開始

 おいおい、まさか、あの時ネズミから食らった攻撃の影響か!?

それしか考えられねーよな……

やべえ、思考が侵食されってる気がする。

も…… う…… だ…… め…… だ……

……とかふざけてる場合じゃねえ!


「ヒロハル、俺を縛り上げろっ! これから、俺が何をしちまうか分からねー」


「わわわ、分かったよ! ちょっと誰かロープ貸してくれませんかーっ」


 あたふたしながら、俺をロープでグルグル巻きにする。

俺は、肉巻きアスパラ? アスパラ肉巻き? みたいになって、地面に横倒しになった。


「へっ、ようやく大人しくなったか」


「……ヒロハル、遊んでねーで、今から俺の言うことを聞いてくれ」


「どーする、モグ?」


「ワンッ」


 おい、いい加減にしろよ。

しかし、ロープでグルグル巻きのため、抵抗できない。

聞いてるか分からねーけど、一応説明しておくか。


「トカゲの森の奥には、宇宙船がある。 俺は、そこからやって来た、まあ、おめーらからしたら宇宙人なんだよ。 で、その宇宙船に行けば、どんな病気もたちどころに直しちまう薬を持ってるやつがいるから、そいつを連れてくるんだ」


「……」


 シーン、と場が凍り付く。

あれ? 俺、何か変なこと言ったか?


「この嘘つき野郎がっ」


 突如、キリウラが現れ、俺を蹴りつけた。


「何でてめーが出てくんだよっ」


「あんちゃん、結構バレバレの嘘つくよね」


「嘘じゃねーよっ!」


 こんなことしてる間に、完全にネズミになっちまう……

どうすりゃ、こいつを納得させることができる?


「何でも直す薬、か。 本当にそんなものがあるのか? ミナト」


 現れたのは、カスガさんだ。


「俺の言うことが、信用できないんすか?」


「いや、信じるさ。 お前を助けるためだ。 俺とヒロハル、あと何人かでトカゲの森に入るぞ。 誰か、トカゲよけの香水も持ってきてくれ」


 さっすがカスガさんじゃねーか!

ミナトが悪党だったら、多分見殺しにされてただろうが、こいつの日ごろの行いが良くて助かったぜ。

それにしても、やっぱり熱っぽいな……

結構しんどいかも、しれ…… ね……


「あ、あんちゃん!」


 俺はそこで、意識を失った。







「……きろ。 ……っての」


 ……何だ?

視界がぼやけてて、良く見えねーんだが。


「起きろっつってんだよ、馬鹿やろっ」


 腹にエルボーを食らい、俺は飛び上がった。


「オエエエエエッ」


 涙目で当たりを見回すと、俺がそこにいた。

いや、正確には俺のオリジナルの流星だ。


「何でこんなとこで道草食ってんだよ。 しかも、妙なウイルスに感染しやがって」


「……わりい、助かったわ」


「助かったわ、じゃねえんだよっ!」


 流星は、思いっきり俺を殴りつけてきやがった。

ってえな、この野郎!


「てめえっ、こっちは死にもの狂いで今までやって来たんだぞ!」


「俺には関係ねーよ。 とっととクエストをこなして、コアを集めて来い。 ほら」


 流星は、真新しい上下のジャージを渡してきた。


「まさか、拾ってきた死体がおたずね者とは思わなかったわ。 だが、身なりを整えりゃ、気づかれねーだろ。 俺はそろそろ宇宙船に戻るわ。 めんどくせーことに関わりたくねーし」


「まてよっ、どうやって戻る気だよ!?」


「トカゲよけの香水だよ、バーカ」


 そういや、カスガさんもそんなこと言ってたな。

つーか、そんな便利なもんがあんのかよっ。

俺の苦労は何だったんだ、と思わないでもなかったが、まあ、いい。

辺りはオレンジの光が差し込み、夜明けを告げていた。

俺は、流星の持ってきた服に着替え、クエストを受注すべく、大通りへと向かった。


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