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メタリック・ファンタジー  作者: oga
番外編
105/105

赤井流星 ラスト

 あれは、スラッシュ!


「諦めんな。 最後まで粘りやがれ!」


 スラッシュは、肩の荷をほどき、俺へと投げつけて来た。

それは、弧を描いて地面に突き刺さる。

おみくじの剣だ。


「そんな剣一本で、何ができる」


「運試しだよ」


 左手で剣を引き抜くと、頼む! と全力で祈って、振った。

スイングした剣は、とても相手を斬れるスピードはない。

代わりに、緑の生物が飛び出した。


「……」


「……」


 カエル……

ま、マジか。


「ぶっ、はははははっ。 お前はとんだ強運の持ち主だな!」


 周りのフード共が笑い転げる。

俺は自分のくじ運の無さを呪った。

この場面で、一番の外れを引くとは……


「ゲコゲコ、ブシ、カエル。 ゲコ」


「ぎゃああああああーーーっ」


 ……!

いきなり、無事カエルが巨大化して、フードの一匹を飲み込んだ。

続け様に、2人、3人と飲み込む。


「……は?」


 唖然とするフード。

かっこつけたセリフを言う間もなく、最後の1人はカエルの腹に収まった。

カエルは、役割を終えると、煙となって消えた。

おみくじの剣も、力を使い果たし、砕け散る。


「……助かったぜ」


 砕けた欠片を掴んで、走り出す。

と、思ったが、次の瞬間、コケた。


「……」


 ここまでかよ……

もう立ち上がる気力はない。

失血し過ぎたか。

だったら、この血を利用してやる。

俺は、メロンパンを作った時みたく、俺をイメージして、自分の血にコアを投げ込んだ。

すると、ムクムクと人の形状となる。

血の体を得た俺は、生身を捨てて、走り出した。

前方に、赤信号で止まっているトレーラーを発見。

後ろのハッチに取り付くと、隙間から侵入。

液体だから、こういうことも可能だ。

車内は冷凍庫になっているらしく、エアコンから氷柱が降りている。


「……あれか!」


 小さい箱の中に、人が入るくらいのでかいダンボールを発見。

中を開けると、冷凍されたチズルを見つけた。


「今、助けてやる」


 俺は、体内に手を突っ込み、コアを握った。

そして、炎とコール。

燃え盛る体で、チズルを抱き留めると、凍っていた体が、溶けた。

チズルが目を覚ます。


「ふわあああ…… よく寝た」


「……すぐ、ここから逃げろ」

 

 最後にそう言って、俺は消滅した。






おわり

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