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メタリック・ファンタジー  作者: oga
番外編
102/105

赤井流星 その22

 メロンパン、俺にチャンスをくれるのか?


「マジで、助かるわ……」


 抜けかけていた魂が、また宿る。

まだ、終わってねえ!

つっても、油断禁物だ。

1週間のタイムリミットが、実は8日間だった、なんてオチもあり得る。


「100パーセントの完成度はこの際、諦める。 動きゃ良い」


 俺は開き直って、機械の製作に取りかかった。







 10日目。

色んな幻覚が見え始めた頃、パワードスーツが完成した。

俺の名前にちなんで、色は赤。

名前は血みどろ殺人ロボ、だ。


「……どう思う、みんな?」 


 俺の真横には、木こりのダイク、ルネサンス運輸の社長、ホシガキらが仲良く並んで、あーでもない、こーでもないと完成したロボの名前で揉めている。

まあ、全部幻覚だが。


「さて、こっからが本番だ」


「少し休んだ方がいいのでは?」


 ダイクが俺のことを気遣う。


「そうも言ってらんねーしな」


 妥協案の受理から10日が経過してる。

グズグズしてる暇はねー。


「……」


 突然、足下がふらつき、前屈みに体が崩れた。

糸を切られた操り人形みたく、体が言うことを聞かない。

ダイクが手で俺を支えようとしたが、すり抜けて地面に倒れ込んだ。


「……ぐっ」


「驚いた。 君って、かなり器用なんだね」


 向こうから歩いてきたのは、エルビス。

俺の前に屈むと、口に何かを押し込んできた。

すると、みるみる体力が戻って来る。

センズか?


「ってか、エルビス、お前本物かよ!」


「え? そりゃそーだよ。 ホシガキに様子見するように言われたんだ」


 ……何だよ。

俺はてっきり、メロンパンがまだ生きてるのかと思っちまってた。

こいつが、こっちの世界にやって来たから、オオカミ化を免れただけだったか。


「どーやってここに? あと、今の口に入れた薬は?」


「ここへは船で来た。 君の口に入れたのは、いわゆる強壮剤ってやつだ。 色んな動物の睾丸の粉末を調合して作った」


 ……どーりで元気になる訳だ。


「それで、この木をよじ登るの?」


「ああ、急がねーとだ」


 俺は、パワードスーツを着込み、木をよじ登り始めた。

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