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メタリック・ファンタジー  作者: oga
第二章 スラム街
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スラムの街

 ヒロハルの後について行くと、築何年なのか分からない位ボロボロの、木造の四角い建物が並ぶ一角にやって来た。


「この辺がスラム街だよ。 一般人は絶対に立ち寄らない場所さ」


 ヒロハルの解説によると、元々街を作るための出稼ぎの職人たちの住まいだったらしいが、取り壊さずに放置していた所、浮浪者が住み着いてしまったらしい。


「お前、マジでこんなとこに住んでんのかよ?」


 建物の通路を見て、思わずそんな言葉が漏れる。

しかも、後から手を加えた為か、変な所に通路が延びてたりして、まるで迷路だ。


「俺たち3人はもう少しマシなとこだよ」


 3人?

そーいや、もう一人いてそいつと生活してんだったか。

廊下を進むと、ぼろ切れ一枚羽織い、肩に小鳥を乗せた老人とすれ違った。


「……」


 一瞬目が合っちまった。

煙を吸ってて、明らかにヤバそうだから、無視した方がいい。

そう思った矢先、


「ミナト、生きとったか。 死ぬ方に賭けてたんじゃがな」


「……どういうことだよ?」


「カナリアが鳴いたから、メタルが森に落ちた。 それを教えてやっだじゃろ」


 ヒロハルもメタルがどーの言っていた。

メタルってのは、コアのことかも知れねーな。

つか、このじじいにたぶらかされて、俺は森の深みまで出向いたのか?


「お前が俺をたぶらかしたのか?」


「おかしな奴じゃ。 その話を聞いて、飛んで出て行ったくせに。 この生活から抜け出したいと、いつも言っとったろ」


 じじいに掴みかかろうとした時、ヒロハルに割って入られた。


「ごめんなさいっ、あんちゃん、今普通じゃないんだ。 また後で!」


 何だよ、おい、手をひっぱんなっつの!

掴まれた手を振りほどくと、ヒロハルが言った。


「あれ、ここの長老だから。 ヘタなこと言ったら、出禁食らっちゃうよ」


 長老?

こんな所でも、偉そーにのさばってる奴がいんのかよ。

何回か角を曲がると、物置のような所にやって来た。


「あんちゃん、ちょっと入り口見張ってて」


「……ん、まあいーけど」


 ヒロハルに背を向けて、見張っていると、後ろからズズ、という音が聞こえた。


「早く!」


 振り向くと、木の箱がずらしてあり、その下に階段がある。

秘密の地下室じゃねーか!

階段を降り、下から木の箱を動かして蓋をする。


「この部屋にはお酒とか、ルーレットが置いてあるんだ。 賭博をするための部屋だったのかも」


 部屋に辿り着くと、上の部屋よりもずっと快適な空間がそこにあった。

やや狭いが、ここなら居心地が良さそうだ。


「ワンッ!」


「うおっ!?」


 ……犬?


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