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メタリック・ファンタジー  作者: oga
第一章 森のトカゲ
1/105

プロローグ

メタボリックじゃないよ

「めざめろっつの」


 ……誰かが耳元で言っている。

嫌な夢を見たせいか、まだ眠い。

魔物に襲われる夢だ。

ってか、今日が休みだったら、このまま寝てるのはもったいねー。

 ガバ、と起き上がると、そこには白衣を身にまとった、俺によく似た男が椅子に座っていた。


「……あれ? もしかして先生。 俺、寝ちゃってました?」


 推測するに、ここは歯医者だ。

俺の部屋とは違い過ぎるし、何か全体的に白い。

歯を見てもらってる最中に寝るとか、どんだけ疲れてんだ、俺。


「ばーか、ここは医者じゃねーよ。 お前は俺の記憶を元にして作られたアンドロイドで、これからこの惑星を抜け出すために、コアを見つけてくんだよ。 寝ぼけんな」


 ……医者じゃない?

まあ、こんなアホ面が先生なわけねーか。

そんなことより、俺がこいつを元にして作られた、アンドロイド!?


「いやいや、寝ぼけてんのはそっちでしょ。 俺は正真正銘の赤衣流星ですよ」


「それは、オリジナルの俺の名前な。 お前の名前はメロンパン。 いいからさっさとコアを見つけて来いっての」


 誰がメロンパンだ!

俺の好物じゃねえか。

こんなネーミングセンスのねー奴の言うことが聞けるかっての。


「先生、俺、帰ります」


「ん」


 突然、俺を名乗る男は手鏡を取り出し、俺の方に向けて来た。

そこに映っているのは、全く見知らぬ男の顔だった。

こいつ、整形外科だったのか!

でも、こんな顔にしてくれなんて頼んだ覚えはねえ。

それとも、本当に俺は、容姿が別人のこいつのコピーなのか?

それを疑っていてもラチがあかないと思った俺は、話を先に進めることにした。


「仮に俺がアンドロイドだったとして、お前、コアがどーの言ってたよな?」


「ああ。 この宇宙船の動力にコアを使っていて、それがこの星にもある。 オードリーの調査によれば、そのコアは金で売買されていて、クエストをこなすことで、金が手に入るって話だ」


「……オードリー?」


 すると、俺のオリジナル(と思われる)の後ろから、丸いサッカーボールみたいな奴が転がって来て、俺に挨拶をした。


「ハジメマシテ、メロンパン様」


「オードリーがお前を拾ってきた。 お前はこの星の近隣の森で魔物に襲われて息絶えていたんだ」


 ……マジかよ?

推測するに、こいつは燃料切れでこの惑星に不時着して、不時着した先は魔物がうようよいる森、ってことか。

夢なら覚めてくれ……


「オードリーがお前を案内する。 ここから抜けた先の街に行って、クエストをこなして来い。 あと、こいつを着ていけ」


 俺のオリジナルである流星は、黒いパーカーを投げつけて来た。


「そいつを着て、顔を隠せ。 そいつの知り合いに気付かれたら、色々と面倒だろう」


「……」


 全く気乗りはしなかったが、そのパーカーを着込むと、部屋の扉を開けた。



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