帰る。
まだまだ戦いまでは程遠いような気がします。戦いまであと2話ぐらいかな?
瞼を開けるとそこには、綺麗な学校があった。
「ん、なな、なんだ?」
学校の校舎は普通の感じで明らかに、公立高校ではない事おそらく私立高校か国立高校だろう。
俺の学校とはえらい違いだ。
俺の学校の校舎は結構伝統のある学校らしくかなり古い校舎だった。
耐震工事は絶えず行われてきたが、校舎の建て替えまで話が進んだことはない。とナマケモノがいっていたような…。
クーラーは設置されいたが、机や窓の額のところにはカッターナイフや刃物で落書きがしてあったり、トイレの扉は無かったり、水が流れなかったり、トイレからの異臭、窓が割られたり、時々警察の人が来ているようなそんな学校だった。今はかなり収まっていたが少しまだ残っているように思った。
俺はその中で成績トップを走りつづけていたので、輩にはまるで自分たちとは関係のない人種として扱われていた。そんな日々を過ごしている時、俺は達也、とあと一人に出会った。
「ここは現実の世界、あなたの世界ではない」
急に後ろから甘い空気の振動が俺の耳をそっとくすぐる。
綺麗で、そして今にも消えそうな声だった。
俺は彼女の言葉を聞いた瞬間は彼女の言っている意味がわからなかった。
そして、悟る。
俺はこんな可愛い子に拉致されてしまったのだ。と
「げ、現実じゃない?」
「いえ、現実です。これがあなたの運命です。」
これで夢オチも選択肢からなくなった。
っていうか俺が言った意味はそういうことではないんですけど…。
正論ですけどね…。
「ていうことは、異世界?」
「ということになりますね。物分かりがよくて非常にうれしく思います。」
「あ、ありがとう…。」
しゃ、しゃべりづらい。変に敬語にされると微妙な距離感が生まれる。
最初からタメ語とは言わないが、最初からそんな風にされると話しずらいな。
別に少女は俺よりすごく年下というわけではなかった。
とはいえ、身長は150cmくらいで髪はセミロングくらいで目がクリクリした可愛い女の子だ。
そんな他人行儀で話されても…。
「失礼ですが、名前を聞いてもいいですか」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
返事がない。さっきからこの人は両極端だ。
返すときは返すし返さないときはまるっきり無視。
不思議な子だなぁと心の中で思う。
「k…ル」
急に言われてよく聞こえなかった。
「もう一回お願いしてもいいかな」
「コール」
コール、、、いい名前だ。
n、ちょ、ちょっと待て、これどこかで、、、。
うーんどこで聞いたことある気がする名前だった。いや名前では無かったかも知れない。
「じゃあコール、どういう状況か教えてくれな・・・」
話しかけようとしたところにはもうコールの姿はなかった。
ついさっきまでは、いたはずなのに・・・。
と、とりあえず何か情報を掴まないとな。
少し周りを見渡してみる。
どうやら人がまだいないようだった。おそらく、授業中とかそんなところだろう。
コールを追いかけるために校舎の中に入ってみる。
ほほーこれはすごい。まるでホテルにいるかのような気分だった。
足元はもちろん絨毯。靴入れがあったので、靴を脱ぐ。
恐らく玄関だろう。
主に木がメインなつくりで微かに木の匂いがする。
玄関の突き当りには、何かどす黒い絵が飾られていた。
その絵は俺を一目で釘付けにした。
その絵はまるで水墨画のように黒だけでデザインされており、きれいな何かがあった。
よく見ると、中央より少し上には赤い花畑?のようなものが描かれている。
禍々しい絵を見終わったあとは、授業中の生徒にばれないようにそろりそろりと歩き回った。
どうやらこの学校の名前は、、読むことができなかった。
字が全く・・・。
これでは情報収集は困難を極めた。どうしようか迷っていたその時、声をかけられた。
「君は…誰だい?」
男の人の優しい声だった。そのおかげでびっくりせずに済む。
「ええーとその…」
振り向いて答えようとすると眼鏡をかけた若い先生がいた。
声だけでなく、顔も優しそうな顔をしていた。
眼鏡の奥には微かに何か俺の何かを見ている瞳があった。
正直に答える。コールちゃんごめん。
「コールちゃんに…」
「ああなるほどね。こっちにおいで」
「は、はい」
眼鏡の先生は俺がすべてを語る前にすべてを悟ったように答えた。
なぜわかったのだろう。
もちろん不思議に思ったが先生は俺の重要な生命線だと感じたので黙って先生の後を追う。
さっき歩いたときは、そろそろ歩くことに夢中で気づかったけど、かなり教室が敷き詰められていて、教室がかなり多いことに気づいた。
気づくと生徒相談室の前にいた。
「ささ、入って」
「失礼します」
入る時、少し躊躇してしまった。
生徒相談室に入ることがなかったからもあったけれど、生徒相談室って問題児ややらかしちゃった生徒が入る場所というイメージがあったからだった。
生徒相談室はかなりきれいで豪華だった。さすが私立って感じだった。
教室の奥にはオーラを放っている椅子があって壁側にはかなりの量の本もあった。
そこで話をしてみるとここは国公立の高校だという。
先生は理科の先生らしい。
本題は少し会話してからになった。
「君はこの学校に通えなければ都合が悪いのだろう?」
「nん・・・」
異世界から来てしまいました…。だからお金もないんです。なんて言ってもわかってはくれないだろう。
そう思って返事ができなかった。
「なら僕のクラスに来てみるかい?…大丈夫、僕の権力を利用して君が入学できるように頼み込んであげよう」
それはうれしい話だ。まさか特別推薦扱いで入学させてくれるというのか。
「本当ですか」
俺はぱぁっと明るくなる。クールキャラなのをこの瞬間忘れていた。
「その代わり条件がある。僕の頼みを聞いてくれないかな。何個かあるんだけど…」
「はい。何なりと」
「僕の部活に入ってくれないかい」
「いいですけど、何の部活ですか」
「国が運営している部活動なんだけどね。配達部というんだよ」
「配達部…ですか」
「そう、配達部。配達部はねこの辺りの配達物を隣町まで運ぶという部活なんだよ」
「それだけですか」
「まぁ簡単に言えばね」
聞いた感じ俺たちの世界で言う郵便局のようなことをすればいいだけってことなのかな?
真相はわからないが入らない選択肢はないよな…。
わかりました。そう言おうと思ったとたん先生が口を開ける。
「配達部は学校に暮らすからもちろん家賃はいらない。食事はさすがに給料から払ってもらうけどね」
「いいんですか。そんなに甘えさせてもらってもらっても」
「もちろんさ。なんせ君は僕たちの救世主になるかもしれないんだからね。自信もって頼むよ」
救世主。聞こえはいいがそんなにいいものだろうか。
その時の僕にもいいようには思えなかった。
「はい。あと一つ質問があるんですがいいですか。」
「何だい」
「もう…僕は元の世界には戻れないんですか」
「契約によると3回が限度らしいね」
契約?全く身に覚えがない。
紙にめんどくさい奴なんて書いた覚えがなかった。
「け、契約なんて結んだ覚えがないんですが…」
「え、君はコールと手を繋いでいないのかい」
「繋ぎましたよ」
「なら契約済みだね。彼女の手は契約書になるんだよ」
「はぁ。ではさっそく戻りたいのですが…」
「ああ構わないけど」
「ではお願いしてもいいですか」
「じゃあ付いてきて」
また教室を移動することになってしまった。
今度は階段を下に降りる。先ほどの部屋は2階。いまは1階だった。
やがて靴を履き替え、外へ出る。
校庭はかなり広い。東京ドーム一個ぶんくらいはあるんじゃないのか。
話を聞くと先生の名前はレッドっというらしい。
この名前もまた気にかかる。
俺たちの向かう場所は驚いたことに体育倉庫だった。
先生が鍵を取り出す。いかにも異世界というような鍵だった。
ガラガラガラ。
「ささ、入って」
「ここなんですか、部活」
「ああ。ここが部室だよ」
先生はが中に入るとシャッターを閉めだした。真っ暗になった。
「?」
何も見えない。するとどこからかガチャリと音がして、床が落ちていくのがわかった。
エレベーターか。一瞬びっくりしたけど、そうわかって安心する。
どんどん落ちていく。
ガシャン。 しばらくしてついたのは大きな空間だった。
「これで帰るよ!腰抜かすなよ~!」
パシャっと音と共に照明がついた。
それでようやく見えたものに驚きを隠せない。
目の前には学校なのに、蒸気機関車の形をした列車があった。
配達部・通称デリ部(デリバリー部)
国立の部活。主な活動内容は隣町まで荷物を運ぶ事。荷物は配達部専用窓口に集められる。
部内では各部署に分かれて活動している。経済部、事務部、広告部、探査部、監視部、外交部、特待生部、特待生S部に分かれている。原則、学校に寮生活を行っており、二人一組、バディでシェアルームを行っている。バディの選考は顧問が担当。部長は1人。副部長は二人。署長は八人いる。