生徒会ライヒスヴェア総帥・群馬シゲオの闘争
・鳥飼岬
例の問題児の母親。滝川純のエロ師匠。
実年齢36歳、
見た目年齢26歳。バツ3。
座右の銘は『全ての男はからかってなんぼ』
なる程、滝川の師匠の事だけはある。
・群馬秋高
シゲオの父親。国会与党議員。
52歳。金はたらふく有るが、息子には厳しく
小遣いは渡した事は無い。
都内に一戸建て所有と羨ましい。バツ1。
シゲオの巧みな権力術は父の公設秘書から学んだ。
・ライヒスヴェア
元々は旧世紀、ドイツの軍隊の呼び名。
・なしぽん
梨のゆるきゃら。
有名処とは差を付け、喋らないが動きは機敏。デザインは全く違う。
・生徒会突撃親衛隊
情報と暴力専門の機関。SSの色が強いがナチでは無い。
フェリシア・エドラは煮え切らない感情の捌け口が見つからずツンツンしていた。”何か”に勝てない気がしてならないからだ。
美貌とエロを出し惜しみなく振りまいて要るものの、何かが腑に落ちない。納得できない。
彼女は紛れもなく、超が美人であるが、四葉学園の平均顔面偏差値は男女共に80を軽々しく超え、見た目だけを頼りに戦うのは少々無理がある。
校門前で赤い紐ビキニ姿でサービスしたが勝った感触がいまいちなのは原因があったのだ。
四葉学園の生徒は手強くクーラ王国への案内状も意味をなさなく質問すら来ない始末…
自室に籠り姿見を三枚に増やし下着姿でグラビアを参考に色々とポーズを取る。
「――やっぱり私の美貌に問題は無い。完璧だわ!」口には出すもののしっくり来ない。
清純派の転向も視野に入れるべきかと思案する深夜枠規準ヒロインは路線変更するのか。
ニーズに答え(誰の?)次は白ゴスふんわり系で登校するだろう。
なぜ四葉学園に美人が多いのかは生徒会が裏で手引きをしているからである。独裁者、群馬シゲオが金と金と金で学園を支配し入学試験の採点システムすら変更したのだ。
生徒会の主な収入源は生徒を私物化とし商品化。
高校生のブランド力は強い。故に入試の合格不合格は顔で決まりテストの点数などは関係が無い。
だが特出した技術の持ち主が居ないと生徒の商品価値を上げて流通に乗せ、現金化するのは難しいのでPC技術や撮影センスのある者、絵描き等の特殊文化技術に明るい生徒の確保にも手を抜いていない。私立四葉高校高等学園は、本来在るべき学び舎との役目は消え現金を集めるだけの集団なのだ。
―――――五年前。
群馬シゲオは中学2年までは、ごく普通の才の無い目立たない子供だったが、突然、夏の始まりの頃、父、群馬秋高と鳥飼岬の再婚により義理の妹が出来た事が発端により人生が変わった。
新しく出来た家庭は夫婦別性を取った。
ある日突然、群馬シゲオは『お兄ちゃん』との素晴らしい称号を得たのだ。
4歳下の妹と16歳上のお色気母親(義理)のGET。
まさしく甘い薔薇色の日々が舞い降り、冴えなく色気の無い父子家庭から一発逆転、人生を取り戻した。お釣りがくる程に。
ついでに『マザコン』と『シスコン』の称号も一夜で得た。
だが現実は甘くなく鳥飼親子は手強いを通り越し悪魔的だった。何事に関しても寸止めの魔術を使い、デレツンを巧みに使い分けシゲオを操る。御褒美は用意するが決して与えない鳥飼親子の戦法は、シゲオの精神を大きく屈折させた。
義理の母親、岬は勉学に厳しく学年首位を取った暁には裸エプロンの夕食会を約束し、真に受けたシゲオは蒙勉強に励み、見事学年トップを取るが、
「義理とは言え私は母親、そんな事するはずが在りません!」の一言で片づけた。更にあらゆるエロを餌に炊事、洗濯、掃除買い物の主婦業全部を押しつけられた。
娘も娘で悪徳極まり、チラリズムを武器にシゲオを生活の奴隷にした。MMOゲームのレベル上げ、パシリ、愚痴聞き等、シゲオは母娘の為に一日、『30時間』は使った。
しかし、努力は無駄で終わる事は無く、根性は鍛えられ不屈の精神を会得した。しかしながら我々友人男子諸君が妄想する様なご褒美には残念ながら無縁だった。
四葉高校入学時、彼は一年生で在りながら生徒会の会長に立候補、見事当選。此の時の学園は学び舎としての機能は果たしており、生徒会もライヒスフィアとの奇妙な名前も付いて無かった。
だが小さくても権力は権力。
部活動の予算編成を自由自在に動かす事には快感を覚えた。
そんな兄の動向に気が付かない筈がない悪徳の妹は
「諭吉が立つくらいあるなら、お兄ちゃんと一緒にお風呂に入っても良いかも”☆!」の禁じ手の一言で全てを狂わせた。
恐ろしきかな、学園のファシズム化の歴史誕生の原因は鳥飼雪美だったのだ。
屈託な精神を宿したとは言え、『義理の妹と一緒にお風呂』で在る。長年の夢、人類の夢、我々の夢、嘘と解って居ても奴隷生活が長いシゲオは動かずには居られない。
手始めに金目に成る処に目を付けたのは男子アイドル部。
部活以外でも単独ライブをしており動員数も学生レベルにしては多かった。しかしながら学生のやる事はたかが知れている。戦略無く、勢いだけで活動して居た為に収益は微々たるもの。
生徒会長の権限と父親の部下の公設秘書から学んだ人たらしの術を駆使しアイドル部の部長の椅子を無理やりかすめ取る。初めは部員からの抵抗が在ったが、成績不振を理由に野球部の部費を全てをアイドル部に廻した事と改革案が巧妙で部員からの支持を得る。
――群馬シゲオ生徒会長兼男子アイドル部部長の改革案
・ターゲットを金銭的に余裕が在る30歳以上に限定。
・歌、ダンスだけではなく劇も取り入れ、ミュージカル演出の強化。
・ステージに上がる一軍にはマネージャーを付け芸能力の短期強化促進。
・立ち身スタジオには椅子を設置、ゲストには一人一人直筆で感謝の手紙を書く。
・洋裁部を取りこみ衣装のゴージャス化。
・PC研も取りこみコマーシャルの強化。
・サクラを使い動員数を誤魔化しチケットのプレミア化と転売。
等、事細かく、せこい技も使いながらチケット、グッツ販売も好評、半年で売り上げは50万円を越えた。
学生がやる活動としては上々で、投資や人件費はゼロである。コアなファンからの差し入れも多くハイブランドの品もあった。味を締めたシゲオとアイドル部員達…。
文化部は連携を取ると金に成る。
会長就任一年目の答えだった。二年目にはありとあらゆる手段…主に『嫌がらせ』で運動部は締めだしに掛かり四葉学園は都内だけでは収まらず全国で一番に文化部が強い学園になる。
約束は約束と、悪徳な妹に現金を差し出し、一緒にお風呂の件を申し出たが
「あ゛! 億だろ億! 銭っちゅ~んわなあ! 億越えてから銭ゆうねん! もっと稼がんかい! あほんだら!」と胸ぐらを掴まれ、80年代のヤンキーも真っ青になる程のメンチを切られた。妹キャラは時に残酷である。
二年目には美術部をコミックマーケット専門部隊と機能させ莫大な売り上げを達成。売り子にはアイドル部も加担。
やはりというかシゲオは姑息な手段を恥としない。書き手の趣味等は論外、意見は無視。売れる物しか書かない。売れる物が在るなら即、内容をパクる。他の人気サークルにスパイを仕向け製本前の原稿を入手し極簿妙に手を入れ直し販売。
ペン入れ位なら素人でも出来る。此処まで来ると美術部は商品販売開発の工場。紙やインクは部費扱い。更に酷い事に高機能なドイツ製の印刷機まで導入し二次創作印刷は何処よりも安く請け負った。
之は純然たる印刷業の商いでは無く、持ち込まれる原稿の内容を丸パクリする為である。
商品は薄い本だけに留まらず、缶バッチ、アクリルキーホルダー、タペストリーにまで及び、全て版権無視で手広く拡大し、ゲームセンターの景品に卸すまでに拡大した。
生産性安定の為、帰宅部は全員捕まえられて現金でむりやり買収され美術部の労働力とされた。
生徒会就任二年目で収益は3.500万円を突破。
オタク文化の購買力は凄まじい。
この頃に二番煎じでも、やらないよりはやった方が増しとの理由でゆるきゃら隊を設立。
動きが機敏で喋る有名梨キャラを元に、『なしぽん』を企画。動画再生数もヒットし関連グッツも大当たりしがこの年だけだった。
現金は集まると事態は龍の如く暴走する。
原案を盗まれたサークルも黙っては居ない。
凡人ならここらで手を引くのだが群馬シゲオは収益全てを投資に廻した。なにせ元手ゼロである。
横暴も過ぎると敵が出てくるのが自然の摂理。
邪魔者には暴力が一番。
四葉学園治安維持を名目とし『生徒会突撃親衛隊』が就任3年目で設立され収益も2億円を超える。
此処まで儲かるならとシゲオ自ら留年を決意。
こうなってくると無駄に成るのが授業の存在。無駄な授業なんかで収益を落としたくは無い。手始めに教師の買収から取り掛かる。
風は生徒会に味方し、生徒に手を付けた教師の発見まで事件は起こった。
これに勢いを付け校長まで揺する。最終的には各テストの事実的廃案、授業の停止、一般入試の合格生徒の選別まで手を伸ばした。圧力だけでは支配は完璧ではない。収益の8割は、ばら撒きに使われた。シゲオは収益よりも権力維持を優先させたのだ。
この頃にはメンズアイドル部も年間1,000万円の儲けを超えていたが生徒会には700万と申告。群馬シゲオは生徒会突撃親衛隊や情報部の力もあり虚偽には気が付いていたが敢えて知らない振りをした。所々まぬけな会長だが儲かるなら多少の不正は多めに見る。
この人物は一体、大物なのか小物なのか…。
問題もある。女子アイドル部は投資に対して人気が出る事は無かった。昨今のアイドルブーム。アイドルファンよりアマチュアアイドルの方が多いからだ。
だが、シゲオは女子アイドル部の投資は惜しまなかった。
70名以上居る綺麗処達の部員、学園の個人的ハーレム化も計画して居たのだ。
だが、妹一人丸めこめない人物に女子からの人気が出る訳が無い。
しかしながら入学から留年をへて四年目、私立四葉高等学園の完全なる私物化には成功、偉業を達っする。
生徒会はライヒスヴェアと名を変え、群馬シゲオは軍服に身を包み圧政は完璧を越え事実上、王になったのだ。
――――池袋、ラーメン店勝丸。
あの二人。
「塩分が染みますわ! 酔いが覚めてまだまだ飲めます☆”」
「…………。」
もう数日徹夜で飲みっぱなしで言葉が出ないジュクブレンド・シンミハーハ。
「餃子、ラーメン、中華中華の次は和食! 次はシースーで日本酒と行きましょう!」
もう限界なむっつりスケベ。リタイアを宣言。
「エンジェルちゃん、帰ろ! もう帰ろう! もうお家帰ろう! お願だから帰ろう! 寿司はヤバイ! 物凄く嫌な予感がする! 寿司だけは止めよう! 危険だ!! 本当に危険だ!!!」
出鱈目天使の逆鱗は瞬間でMAXになる。言葉なんか出さない口にしない。
目だけでジュクブレンドを殺しに掛かる。
そりゃあ、もう悪魔的に星の一つや二つ壊さんばかりに。
「……あ、ごめんなさい。寿司行きます。行かせて下さい。はい…」
たしか予言補佐官とかお偉い職のはずだった筈だが威厳も減ったくりも無い。
「はい☆” 素直で宜しい! それでこそ権力者! 素敵です!」
酒の付き合いは長期戦になると拷問でしかない。誘う相手を間違ったジュクブレンド。寂しくても補佐官室で一人飲みの方が良かったのかも知れないと思ったが時は既に遅かった。
フレミアの政治体系や制度、人々の暮らしに付いて。
クーラに関しては王国を名乗って居るので貴族制度が支流。
故に階級制度があり本筋ではフェリシアは大ボケを噛ましているが
ジュクブレンドと話す仲なので
最低でも従騎士の称号は持っているだろう。
もしかしたら騎士か其れの上、
男爵の家の出かもしれない。
貴族は貴族としか口を聞かない。
平民が貴族に話掛けられるのを許されるのは
精々、世襲制が無い騎士までで
男爵以上の身分を持つ者に口を聞いたものは
罰の対象になる。
フレミアの文明レベルは低いものの
ボクス国は共和制なので哲学レベルは案外高いのが伺える。
各国、魔法により戦争を楽しんでいるが
クーラ王国にとって最大の脅威は民主制度だろう。
印刷技術が高まり本が社会の隅々にまで流通にのると
思想は伝播し王室制度は革命により崩壊する。
フレミアには人間は皆、共通の理性を所有して居ると定義する
啓蒙思想の発明に成功しているが
クーラ王国の階級制度、身分社会が崩れないのは
魔法による国民の思考誘導なのかもしれない。
この辺はカカミクロに直接聞いた方が早い。
魔法に関しても少し…。
フレミア人は直接的に魔法は使えない。精霊にお願いするしか方法が無い。
魔力の強さの正体は魂の強さであり心の強さ。
魂と引き換えに精霊と交渉し、受諾した精霊は、ぼっこんぼっこん火を放つ。
地球人の魔力が途轍もなく高いのは生きにくい世界で魂が鍛えられているからである。
ジュクブレンドは現在地球に来て飲んだくれてるが
実の処、日本は雑踏過ぎて飲まないとやってられないのが本音である。
地球の16世紀の人間が現代にやってきたら
文化や毎日の日々がややこしくて多分、毎日飲まないとやってられないだろう。
アルコールが禁止されているイスラム圏は日本より生きやすいのかも知れない。
中東地方は女性の扱い、人権が酷いが
最初に知恵の実を喰うとゆう大やらかしを行ったのはイヴである。
本来、女性は恐ろしいのだ。
そりゃ男も構える。
召喚適性をもった人の魂はとても強く
国の在り方自体をひっくり返す革命など容易いので
恐れをなした権力者は魔力が強すぎる人の誕生を嫌う。
コントロール出来ない力は誰も欲しくない。
故に、思想を持たない従順な異界なモノの研究が盛んになる。