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深夜枠規準ヒロインは異世界への案内人 フェリシア・エドラは期待を裏切らない  作者: 一博,ラン
深夜枠規準ヒロイン フェリシア・エドラ
2/17

預言補佐官ジュクブレンド・シンミハーハの困惑と閃き。

=01=


 イタリア系とヒスパニック系のハーフの様な顔付の預言補佐官『ジュクブレンド・シンミハーハ』は常に頭を抱えている。いつ始まるか解らない戦争への備え、足りない魔法使い――萌え不足!


 ジュクブレンドの年齢は200歳を超えている。魂の力が強いのだ。異種異界の血は混じって無い純粋な人間。ついでにお偉いさん。伯爵、侯爵、子爵、男爵と称号を12個も持っている。


――金持ち。否、超が付く金持ち。富豪と言った方が早い。


 権力あり財産ありと成れば女集めに走るのは自然だろう。彼は下は…歳から上は50歳、貧乳から巨乳各サイズを抑え人妻や教師、ツンデレ、ヤンデレ、高飛車、あらあらうふふ系お姉さん、更には僕ッ子まで抑えている。


 が、一切手を出せていない。一言で例えるとヘタレ。又はムッツリスケベで一応妻子持ち。

 

 だが足りない。足りる筈がない。萌え欲の上限は青天井。

 

 3年前、ルミナ村を視察した時に畑仕事をしていた超絶美人の農夫の娘を見つけた。発掘とも言うべきだろうかダイヤの原石の発見に近い。狩り取った麦を手にした白金の髪を持つ娘の名前は『フェリシア』と言う。貴族は貴族としか口を利かないのが常識。平民と喋ったとなると社交界で馬鹿にされる。平民から口を聞くなど言語道断。持て余る財力を使って農夫にエドラ家を与え無理やり女男爵(バロネス)の地位をむりくり与え即金で側近にした。

 

 トホホ迷惑娘の主人公フェリシア・エドラの誕生である――が、お頭は弱く読み書きが出来る程度。出来る仕事はお茶くみ位しか無い駄目秘書。能力は在るが、やたらと肌を露出しエロを撒き散らす『深夜枠規準』しか芸が無く目立つ程に役立つ事は無い。其れでも良しとするジュクブレンドは大物立派。預言補佐官の役職は伊達じゃない。


 彼女曰く、重い会議の空気を和やかに変える事が出来るのでエロの撒き散らしは最重要で大変にお国の為に貢献してるらしい。17歳の生肌、揺れる乳しなやかな脚や腰付き――なんやかんやクーラ王国は平和そうで何よりである。


「10代が居るだけで素晴らしい」

「ポニーテールってのがオジサン心をくすぐるねえ」

「ああいった娘を引っ張って来れるジュクブレンドは解って居る奴」

「素晴らしき横乳」

「脇みせ万歳」

「是非ファンクラブ作りましょう」


 廻りからのフェリシアの評判は上々で戦争がどうとかこうとか何処に行った話だ。スケベ心は恐ろしい。

 

 状況に対して政治家貴族達が余裕綽綽(よゆうしゃくしゃく)なのは秘密が在る。魔法使いは足りないし何時開戦し、気が付いたら火の中なんてのは間違いのだが――クーラ王国の中心、未公開の王は怒らせたらフレミアで一番恐ろしい存在が居るからだ。

 

 秘密の王は召喚ゲート、魔法陣に引き籠っている。余りにも危険な存在なので、その方が得策かもしれない。


=02=


 暇じゃ――退屈、預言者如き分際も小言が五月蠅い。何事も飽きが来る。予は銀の広間に引き篭もる。いっそうの事、退屈を極める。だが女王らしいと言えば女王らしいの。

 

 決定だ。もう何もしない。

 

 国はジュクブレンドに任せる。ハーレムなぞ造りおって生意気も過ぎる。

 カカミクロ・リブル・ドゥ・ジェットクイーン・クーラの名前も封印する。非公開じゃ。只の結界士として一歩も外に出ずに眠って生きる。地球で流行っているニートじゃ。

 

 一度試みたいと思っていた処じゃ。


 眠る天使…良い響きじゃ。美しい予にぴったりの名前じゃ。数百年は姿を消す。


 なんじゃ、私の事か?


 特別だ。気まぐれだ。気の迷いでは無い。知りたそうだから伝えるだけ。優しさ――気づかい、といった処だ。聞きたいだろう。知りたいだろう。楽しみを与えるのも王の仕事。


 今回はサービスじゃ。

 お喋りは好きな方では無い。口を動かすのは好きだが食ってる時の方が好きじゃ。特別にカカミクロと呼び捨てにする事を許そう。


 其れ如きでは怒らん。何年も女王をやって居ると怒りなど忘れる。

 だがな、いま鰻重(うなじゅう)肩手に読書に勤しんでいるなら話は別に成るがの。

 身体から脊髄を引きちぎってやる。安心せい痛みは無い、やられた事が無いから解らんが――多分大丈夫じゃろう。


 私の力に比べると預言者など小粒。(ちり)以下じゃ。

 かと言って小粒の力を馬鹿にする訳では無い。一国の支配者なるぞ。草一本すら私の大切な所有物。全てが私の物じゃ。なに、王に成れば此の気持ちは誰にでも解る。


 願うなら望むなら――良いぞ領地を与えたもう。好きな爵位を選ぶが良い。

 私は心が広い。土地を仕切りたいなら君臨せよ。


 求めるものは愛か?冒険か?――地球人よ。戯れを求めるなら私でも良いぞ。相手をしてあげよう。我が身体を貸そうぞ。子を作らせてたる。遊びでも構わぬ。私とて遊びじゃ。其方の世界は良く知っとる。食い物は美味いが生きにくい世界じゃ。戦争がしたいなら自由にせい。随分と残酷な話が好きなのは知っている。


 1,800円も払って何度か映画を視た。

 不潔じゃの。嫌いでは無いがの。だが毎回ラストシーンが主人公とヒロインのキスシーンで終わるのは何故じゃ?


 架空の物語よりも現実的な体験の方が面白い。こっちに来ぬか?面白いぞ…嘘は言わん。

 疑わなくて良い。

 

 のう地球人よ。


=03=


 大公、銀髪の女王は常に全裸。長い長い髪が服の代わりをしていて大切な部分が見えやしない。靴だけは履いている。銀座に在る百貨店、『和光』の常連――何脚の靴を持っているのやら。

 

 裸姿でも彼女に恥は無い。女王に恥は許されない。女王に恥は似合わない。

 彼女は一切仕事をしない――否、王に労働は許されない。

 

 存在するだけで良いのだ。要るだけでクーラ王国は安定する。

 彼女は純潔の人間では無く精霊や天使に近い――が悪魔よりだ。より(・・)では正確さが曖昧で真実から遠くなる。本物の悪魔と言っても嘘では無いと表現した方が正解だろう。

 

 しかし人間として生まれた。血が複雑なのだ。実体の在る天使、悪魔や妖精等は性交出産が可能でフレミアではその手の交配研究は盛んだ。

 

 異種異界の存在にもランクがある。上級天使、上級悪魔は人間の手に負えない。そもそも小さな惑星フレミア如きに興味は無い。人間同士の争いにも『知った事か』の一言で済ます。

 

 ただし創造主、神だけはフレミアに暇つぶしでチョッカイを掛けまくる。フレミアの争いの元凶はこいつなんじゃないかって位に出鱈目。神の名前は無い。一番最初に宇宙と一緒に生まれた存在、名付け親が居ないからだ。だが本人、創造主、神のありがたき言葉は…


「コアトリクエとかトラロック、ミクトランシワトルとか、やたら多い99種類の美名とかミカエルとかサキエルとか、好き勝手に呼ばれるので私も私の名前は解りません☆” 斎藤でも鈴木でも構いません”☆! だから好みに合わせて古乃美(このみ)ちゃんで! イエイ☆””!!!」


 カカミクロも大概だが流石、宇宙年齢と一緒の創造主、大概勝負(・・・・)では負けないがジョークのセンスは無い様子だ。


 厄介な女王が出てきたら、もっと厄介な創造主の登場。二人の関係はそれなりに良好でドツキ合いの喧嘩をする位には仲が宜しい。

 

 小国ながらクーラが強い政治力を持っているのは国の中心が悪魔で創造主の後ろ盾もある――国民が知ったら大騒ぎは間違い無いであろう。

 

 カカミクロ、別名食い意地の女王。地球には良く出没する。食べログ3.5点以下の店には行かない美食家で肉よりは魚派。

 

 古乃美ちゃん、別名飲んだくれの女神。地球には良く出没する。酒が在れば飲み続ける酒豪家。水とビールと日本酒の違いが本気で解らない。というか気にしてない。


=04=

 

 預言補佐官執務室。

 食い意地女王は引き籠って姿を現さない。隣国ボクス共和国の動きが気に成る。予知妨害が激しさを増す。余程表に出したくない隠し事でも在るのだろう。去年今年と農作物の不作が続いている。こちらもそうだが収穫期には国民の気持ちも浮きだつ。少ない土地に農作物の不作。ボクスは国民主体の共和制――故に国民は我儘で欲が強い。不吉な低級悪魔、使い魔ファミリアの目撃例の報告も増加している。


「あのあのあの! ちょっ~と、迷惑な程、空気重いんですけど!」

 

 ジュクブレンドは仕事漬けの毎日。ムッツリで萌え好きだが基本は真面目な仕事人間。ストレスは多く美しきフェリシアを無理やりに取って付けた仕事内容が在るようで無い『魔道記録係』との名称で秘書にし美少女プレイに倒錯していまうのは官僚らしいと言えば官僚らしい。

(――ッチ! おっさん無視かよ、超超美少女が話しかけてあげたのに)


「――おっさん、茶だ…ありがたく飲め!」ギリギリまで生地を少なくした衣装でフェリシアは仕事をした振りをする。肌蹴(はだけ)て居る胸元はY字で寄せて上げてる証拠。


「いっそうの事、全裸で仕事したらどうだ?」


「ムッツリスケベのスットコドッコイ! ギリギリの処で見えそうで見えない! 大切な部分は絶対に見せないお風呂でも誰も見てないのに手で隠す処は隠す! 其れが私よ!」


 布、いやほぼ紐か。何処で買ってきた服だ、売ってる奴は変態だな…と思いながら彼は考える。萌え…地球で流行ってるし非常に――受けが良い。フェリシア、小顔で顎が尖って居て白金の髪――ポニーテール、完璧だ。サイハイ二―ソックスも素晴らしいじゃないか。之でもうちょっと口が良くて性格が良くて仕事が出来れば――損な買い物をした、領土まで与え――あの時の俺は疲れて居たんだろうな魔が射したんだきっと。

 

 地球人…何度か調査に行ったが地球で暮らしたくは無い絶対に。特に日本は無理。強いんだよなあ魂の力が。すんげえ生きにくい世界で生活して居るから皆強くて当り前――なのだが、あの力は精霊との交渉楽々だ。5ダース位こっちに来て暮らしてくれないからなあ。惑星統一も余裕だろうに。


 余りにも別嬪さんだからついつい側近にしたがフェリシアと来たら使い道が無い。払った分の見返りは回収したい。金は在るが基本ケチなんだ俺は。此の娘と来たら…全く仕事をしない出来ないお茶くみとお色気担当――オマケで口も悪い。

 

 肩も揉んでくれない。接待トークで良いから俺を持ちあげたりもしない。俺をおっさん呼ばわりする。遊び呆けては二、三日姿を消す。挙句の果てに俺に暴力を振るう――10代の蹴りとか御褒美の部分でもあるので少し嬉しいが、ちょっと邪魔。


「じろじろと胸元見てるんじゃね~よ! 糞じじい!」


 でた暴言。ちょっと邪魔は訂正――非常に邪魔、給料分の仕事はしてもらわないと損だな。しかし目の保養具合は天下逸品で黙って居れば非常に優秀な女なのだが…


「よし、フェリシア君、出張に行こうか? 向かう先は別宇宙の惑星『地球』だ。楽しいぞ」


「――別宇宙!? ――出張!? なにその主人公的展開! やっぱり私ヒロイン確定、在る意味素敵!」


 乗ってきた、もう一押し!


「無駄に乳ばかり盛ってひらひらの衣装はなんだ。ほぼ紐じゃないか。あのなあ一応仕事なんだぞ」


「ちょちょちょ☆”! 私! こう見えて真面目ですぅ! やる気全開のこの衣装見て伝わりません!? 私みたいな美少女は出すとこ出して、重い空気を和らげるのがお仕事なんです! こないだの外交会談も私の顔と胸と足が役立ち、どれほど会議がスムーズに進んだか! おっさんは物事観えてません! 役立たずのムッツリスケベ!」

 

 また暴言。ちょっと嬉しい気持ちは歪んでるのか俺は…


「実はな別宇宙とコネクションが在る。太いパイプって奴だ。お前みたいなお馬鹿女を見て今閃いた。出張して来い。有能な人材をどんどんスカウトして連れてくるのだ! 拉致でも構わん! フェリシア、君はやはり立派な『深夜枠規準』だ。ナイス発想、――俺!!」


「シンヤワク?」このおっさん、私の解らない隠語でセクハラ発言か?


「お前、一応、魔道記録係だろ、何故意味が解らん」解る筈がないか。平民出身のおてんばさんには。


「――その、魔力使うと老けると言うか、成るべく魔法は使いたくないのが女心と御理解を」


「良し決めた、給料分は仕事してもらう。今行け、直ぐ行け、全力で行け、歩くの禁止だダッシュで行け!」


 予言補佐官はセリフを吐きつつ、右手は額を隠し、左手は人差し指をフェリシアの胸の方角

を差す。直に揉めないならせめて指先だけでも。


「召喚ゲート仕様許可書、 持ってけ! 期待してるぞヒロイン!」


「――てか! ――てか! なんで私? あと、さらりと召喚ゲートって恐ろしい言葉使いませんでした!?」


「その衣装を見てピンときた、別宇宙では、そういうの受けが良いんだよ。細かい事はゲート結界士に聞け。ついでに驚くなよ、そいつは優秀で『召喚適性』を持ってる!!!」


 

 国家機密級の重要な言葉が飛び交っているが他国に情報が漏れた場合は外交問題を飛び越え即戦争は避けられないであろう。物語がのんびり平和に進んでいる様に見えるのは、ジュクブレンド・シンミハーハが優れた預言者で在るからに他ならない。

 一方、フェリシア・エドラとなると魔力は弱く、先々の心配は多い。


=05=


 クーラ王国、最重要施設、銀の塔の奥、結界の広場。

「――ゲート使うのか。嫌だよ――私の魔力が減る? 老けないかな? 心配だにゃー」


 ぶつぶつ言いながらフェリシアは召喚ゲートに向かう。当然走らない。そういう子なのだ。ゲートなんて存在するだけで使う機会など在るはず無い。最重要施設でもあり場所を知る人は極限られている。


「私は結界士のカカミクロです! 半分天使です! 今回は宜しくお願い致します。召喚ゲート使うなんてワクワクのドキドキですわ!!」


 カカミクロは天使と自称しているが非常に怪しい部分でもある。先に正体を明かすと過去の戦

争の遺物、使い魔ファミリアとフレミア人のハーフ。


 結界士の頭のネジが全て溶けて要るのは深く考えない様にするのが得策と注釈を入れて置く。


「聞いてます聞いてます。このゲート、調整しないと何処に飛ぶか解らないんですよ。火の星に飛ばされた場合には即死確実! まあ、なんて楽しい!!!」


 カカミクロは喋り続ける。実はおしゃべりが好きなんじゃないのか。


「しかも別宇宙、フレミヤ国際条約スレスレの違法行為! いっそうの事、戦争再開して私もどさくさにまぎれて隕石を世界中に落しまくり、歴史に名を刻むのもアリアリ! なんて思っちゃうからワザと結界を解いて他国に情報漏らすのも 楽しいかなって、それでもって……」


「――あなた五月蠅い! 黙らっしゃい! 口数多いとキ・ラ・ワ・レ・マ・ス・ワ・ヨ!」

 召喚ゲート仕様許可書で、カカミクロの口を塞ぐ。大切な書類の使い道が間違っている。


「もう、喋らせて下さい! 此処しか出番無いんですから! 別宇宙に行くには一度、あなたの身体を最大ミクロまで分解し最大マクロと同調させます! 多分其れっぽい事言ってる気がするので大丈夫! 痛みは在りません。過去例はありませんが。どうか私を信用して下さい。宇宙構造が違う為に、転生という形を今回は使います。スカウトとの事なので為るべく魂が集中しているエリアを探します。勿体ないけど超超貴重な私の魔力を使いますので早く準備して下さい!」


 カカミクロは祈り、呪文を唱える。付け加えると魔法を使うのに呪文は必要ない。


「ランランラン☆”! ぶっ飛び転生ランランラン☆”! 実験大好きランランラン☆☆”!」


「――――実験(ずいっけん)”ッ!?」


 魔法陣は青く光り始め、輝きを増し重力が消えフェリシアは宙に浮き身体が分解を始める。


 勿論、衣服から先に。ローブが粒状に分解して消え、次にブラウス、下着の順番で消え、――白い裸が露出する。

 

 何故かサイハイ二―ソックスだけは消えなかった。転生作業は止まる事は無い。


 謎の光は使わずヒロイン自らが大切な処を隠すのが王道と(わきま)えてるのはフェリシアが主人公の座は絶対に渡さない意気ごみと覚悟の証明!


「あのあのあの! ハ、裸、裸、裸!!」


「定番のお約束です! 同じ女同士大丈夫です。問題無いです。全裸ニーソでバッチリ決まってます!! 転生先で絶対――需要ありますよ☆”!」


「オヤクソク…ジュヨウ…訳が解ら……」

 

 フェリシア・エドラは無事?――転生したようだ。


=06=


 地球軌道上空、約150万kmラグランジュ点L1付近。

 宇宙が一つだけでは無いは確かな様である。転生したフェリシアは魂移動の副作用なのか、どっちがあっちで、あっちがこっちなのか少し混乱している。宇宙酔いの親戚の様な状態だ。


「――絶対(ずえったい)、性根腐ってる。言葉の意味は解らなかったが勘で解る」

 全裸の記録係は青い星を見つめながら暴言を吐く。


 序でにジュクブレンドも執務室で訳の解らない事を叫んでいる。

「ニーソに関しては、位置はひざ上、柄物、白や原色と要ったものは邪道で黒色が正当と断言する。黒は黒でも肌が薄く見える薄い生地がベストで在る。網タイツも否定しないが其れは次の機会に取って置く。ニーソは絶対領域面積を限りなく狭くするアイテムであり、その辺が解って居ない者は、例え其れが私の命の恩人でも親の敵のように怨むのは確実と覚えておいて欲しい。ニーソと言えば膝上付近が標準だが、しれでは只のハイソックスだ! 妥協して最低でも太もも半分まで隠れるオーバー二―ソックスが基本であり、絶対領域立て長さは5㎝の以内サイハイソックスを標準して考えない者は私は全てを敵に廻す覚悟だ! 更に正解を言えばストッキングと思いきや実はサイハイ二―ソックスでした位が正義である」

 

 役人はストレスが多いのか…成る程、美少女プレイに走る事はある。


 超強烈な魔力を持った何かがフェリシアの(もと)にやってきた。転生早々非常事態。惑星フレミアなんて息の一吹きで破壊する程の強大な邪悪なエネルギー。絶対に戦っては行けない相手。敵に廻すなど許されない完全恐怖がフェリシアを支配する。

 

 命がとても薄く、軽く感じた…。之が私の人生の最後と目を(つぶ)る。


「どうも~キュ-トが私の命”☆! 大天使でっ~す!――初めまして、食い意地馬鹿のカカミクロからお話は聞いてます! 私の事は気軽に古乃美ちゃんと呼んでね!」


「…はい?」

 天使と聞いて又かと先程の恐怖感がなんだか遠く懐かしい。


 転生途中でまだ身体は手に入れてないが、魂が半透明で実体が在るのと、ほぼ、変わらない絵図なので幾ら頭が抜けてるフェリシアとは言え、早く服は着たい処。


「気合入って居るのは十分に伝わるのですが、その格好は困まりますうぅ。個人的には大歓迎ですが!」


 とっても残念で、返す言葉が見つからないフェリシア。


「――スカウトですよね! そろそろ人口も八十億行きそうなので一人や百人連れて行っても問題ないない、全然おっけ~大歓迎で~す!」


…やはり返す言葉が見つからない…軽いノリが悲しい。死を覚悟した直後なので尚更だ。完全に一本取られた。大ボケが過ぎる。


「丁度良いタイミングで今、此の惑星、地球で一人死にました! 魂に大丈夫? まだ生きれるよって伝えたのですけれどもBL雑誌で世界に迷惑を掛けた。もう、生きては居られないと言ってたので、その身体使って下さい。名前は『城羽みすず』ぴっちぴちのJKで~~す。とりま制服着れるからラッキーで~す!」


「――BL?――JK?私が知らぬ攻撃魔法の類か――秘密の暗号!?」


 フェリシアもフェリシアだが、天使も大概(たいがい)である。だるくなるヒロイン。一応主人公。


「――似た様なもので~~す! じゃあ頑張ってね~”☆!」


 余りにも軽いノリの天使の口調がクーラ王国の危機や物語開始時の序盤の重たさが懐かしい…


 なんやかんだで城羽みすずとしてフェリシア・エドラの楽しい?日常の幕が上がる。


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