プロローグ
惑星フレミア。
地球と良く似た星だが別宇宙に存在する惑星。太陽も在れば月も在る――当然、昼間があり夜があり人々が暮らしている。地球と大きく違う処を述べたら文明レベルは低く、蒸気機関もなければ電気も無い。夜は蝋燭が必要と成る。非常に高価なものなで平民は日の出と共に起き夕暮れに寝る。星の人口は少ない。数を把握出来て要る国家も無い。
とある小国『クーラ』は貴族制が強く王国を名乗っているが君主制では無い模様。王は要る様だが滅多に表に出てこない――ここ300年程。
何代世襲が続いたのか一人の人間が長生きして居るのかは不明。フレミア人の平均寿命の説明はちとややこしくなる。地球人と同じく70歳から80歳程度の寿命を持つ者が基準だが稀に200年300年と長生きする者も少なくは無い。逆に病気怪我事故等関係なしに20代で寿命を迎える者も居る。
血の問題、種族の問題が原因。之もまた地球とは大きな違いの一つ。
理由は異種異界も者者、神、精霊、天使、悪魔、妖精、アンデットの存在。
国によって文化が違うので神を悪魔と言ったり妖精をアンデットと言ったり非常にややこしい。
クーラ王国には少人数だが預言者を将軍として魔法使い集団が居る、戦争の為に。
フレミアでは戦争に次ぐ戦争、又戦争で各国は疲弊の限り。此処何十年かは戦争が無く表向きは平和。水面下では暗殺や裏工作等で純粋な平和とは言えないが。
戦争の形式は単純――魔法を使う。街ごと焼きつくす、国ごと焼きつくす、大陸ごと消し去る。大人数を率いて馬を駆り剣と槍で戦う必要は無い。
一人、もしくは数人の魔法使いが精霊と交渉する。受諾に成功したら精霊は魔法で激しい焔で人々を焼き尽くす。怒りも怨みも悲しみも残らない程に。
北半球にあるラカ―地方の島国にあるドリート共和国は50年以上に渡って火柱が消えて無い。何も精霊が使う魔法は火だけでは無く500年以上氷に包まれ冷たく時間が止まったマボロ王国も在る。
フレミアの大地で人が住める場所は限られて居る。殆どの土地が荒廃し生きていくのに難が強い。
魔法魔法と言っているが其れはクーラ国に限った話であり国によっては法力、聖術、妖術とこれ又呼び名が違い面倒。
クーラに限り何故魔法と呼ぶのか――破壊は『魔』の技とされ恐れられて要るからである。
現状戦争は無く平和と言え火種が多く常に危険が多い惑星フレミア。
この物語の始まりは小国家クーラ王国から始まる。