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ヴァンパイアと人間

そしてその日が来た。


「わぁ、ここが人間界!?」


「何を言っているの?紅葉。私たち、殺される前はここに住んでいたじゃない。」


この声…聞き覚えがある。


ついに来た…人間界に…この世界に、ヴァンパイアが。


「ゆいちゃん、さくらちゃん探そうよ!」


「七哉っ!うん、そうだな。嬢ヶ崎ってやつを探して謝らなくてはな。」


「ゆいちゃん!謝っちゃダメだよ!?ゆいちゃんの謝る、は血を吸うって意味だからね。」


唯斗と七哉の会話。


唯斗は謝る=血を吸う、なのか。


「人間の匂い…」


真実は周りの匂いを嗅ぎ始める。


「この近くに人間がいるって事か。美味そうな匂いだ。」


「さくらの香り…もしかして、さくらちゃん?」


初南は気づいたようだ。


さくらがこの近くにいると言うことを。


「ええ。さくらよ。何しにきたの?」


「わぁ、さくらちゃーん!久しぶりー」


紅葉が飛びついてきた。


「さくらちゃん?開放してこの世界来てから、美味そうになった?」


「紅葉、貴方は食べ物にしか興味ないのですか?」


食べ物と聞いて、ポケットにニンニクを入れていたことを思い出した。


ニンニクを買ってそのままポケットに入れっぱなしだったのだ。


「これでも喰らえ!」


効かなかった。


なんで…?ヴァンパイアはニンニクがダメなんじゃ…


「ふっ…。ニンニク…か。ヴァンパイアはニンニクがダメだとか、十字架がダメだとか…そんなのは人間が作り上げたお伽噺に過ぎないんだよ。」


と大和が少し笑いながら言った。


人間が作り上げたお伽噺…?


「そうそう。お伽噺なのよ。人間ってバカよね。なんでそんな話を作ったのか…」


愛奈は、バカにしたような目でこっちを見た。


「さて、そろそろ本題へ!血を吸うか吸われるか…」


何、その選択…


「つまり…自分が死ぬか…この街の人々が死ぬかのどっちかの選択と言うことね。」


嬢ヶ崎さんは何でそんなに冷静でいられるの…?


「私…もう訳わかんないよ…」


私は涙目になった。


「死ぬか生きるかの選択なんて嫌。どうしてもって言うなら、私は死ぬ!みんなが死ぬより一人が死んだ方が犠牲者は少ない!だから…!」


言ってしまった…


これで私の選択は固定された。


私は確実に死ぬ。


「なら、私も死ぬわ。」


嬢ヶ崎さんも死ぬを選んだ。犠牲者は2人のはず。


「よし、決まりだな。最初は…さくらから。」


翔はそう言って、嬢ヶ崎さんの首まで近づく。


え?最初に選んだのは私なんだから、私が先に殺される…はず。


これはまさか…!


「やめて!嬢ヶ崎さんの血を吸う前に私の血を吸って!」


「嫌だね。あんたの血なんか吸う気ないもん。最初からさくらの血を吸うのが目的だったんだもんね。」


そう、これは罠だったのだ。


今頃、罠だと気づいても遅かった。


翔は牙を出し、嬢ヶ崎さんの肩に手を置き、首にその牙が…


「雅もこっちに来てみ?」


「うん!」


嬢ヶ崎さんが私に向かって何かを言っている。


「さ・よ・な・ら。き・り・か」


さよなら、きりか?


これはお別れのメッセージ?


嫌だよ…嬢ヶ崎さんとまだお別れしたくないよ…


まだ、嬢ヶ崎さんと話したいことがたくさんあるのに…


「嫌っ!嬢ヶ崎さんを殺さないで!」


「今更、何を言っているんだい?こいつが死ねば、この街の人々は助かるんだよ?」


「…それは…」


私は嬢ヶ崎さんが大好きだ。たった一人の友達だから…


「嬢ヶ崎さんの血を吸う前に私の血を吸って!」


死にたくない…だけど…嬢ヶ崎さんにはまだ生きてほしい!


「あんたの血を吸えば、あんたは死ぬんだよ?」


「それでも…それでも、私は嬢ヶ崎さんを助けたい!」


決めたんだから。


嬢ヶ崎さんを絶対助けるって。


「やめて、霧華!」


「嬢ヶ崎さんが死ぬなんて嫌!」


「それでも…それでもやめて!」


「…そうだ!」


ヴァンパイアの一番の弱点…


それは…日光…


「ねぇ、その扉を開けてみて?」


開けたら扉を閉めて、鍵を閉める。


そうして、焦げ死ねば…。


「うわっ…」


よし。


そして私は鍵を閉めた。


彼らはドンドンッ!っと扉を叩いてくるが、私は勿論開けない。


開けたら殺されるから。


「嬢ヶ崎さん…大丈夫?」


「え、ええ。」


まだドンドンッ!と叩いてくる。


「ねぇ、開けて?このままじゃ…私たち焦げて死んじゃう…」


初南がそう言うと諦めたのか死んだのかは分からないが…


というか彼らはもう既に死んでいるが…叩くような音は消えた。


「あれ…消えた…?」


「そうみたいね。」


嬢ヶ崎さんはまだ冷静。


「ねぇ、なんで冷静なの?」


「私は貴方を信じてたもの。必ず私を助けてくれるって。」


「私も、嬢ヶ崎さんを信じてた!」


と私は微笑んだ。


こうしてヴァンパイアと人間の戦いはこれで幕を閉じた。


みんなには分かって欲しい。


人間は人間が救わなくてはいけないんだということを。


そして、人生つまらないことばかりではないということを。



みなさん、楽しんでいただけたでしょうか。


中途半端で終わったなぁって思う人もいるかもしれません。


一人でも続編を書いてほしいと言う人がいた場合は続編を書かせていただきたいと思っています。


ではでは、今後ともよろしくお願いします。

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