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2. 人間の子ども
最後の集落を出てからずいぶんと経ったと思う。
その証拠に、陽はかなり高いところにある。
「このあたりか?」
ほかの旅人が通るだろう山道から少し外れた場所で、ミナトはキョロキョロとあたりを見回した。
人の気配もしないことを確認して荷物を下ろす。
情報収集もかねて泊まった民家では本当によくしてくれた。
予想していた状況になっていなかったのは、住民たちの『掟』のたまものだろう。
「さて……」
地面にどかりと座り、その土地に意識を巡らせる。
正式には、空気を捉え、妖気を探る。
妖気の流れがわかれば、場所が特定できるはずだ。
情報が得られた、といっても、元凶まではつかめなかったから、ここからは実地で調査が必要だ。
「何をしているの?」
「っ」
意識を遠くに飛ばしすぎていた。
はっとしてミナトが目を開くと、人間の子どもがこちらをのぞき込んでいた。




