Part 4
…そして…
ついに捜索が開始され、アレクシアは手がかりを求めて内部をくまなく調べ、レナはジンとエレナの行方を追った。レナは数少ない【IUDICIUM】のメンバーの一人に尋ねたいと思っていたが、思い浮かぶのは「彼」だけだった。反乱の際にジンを殺した「彼」を、レナは未だに許すことができなかった…今になってようやく。
2013年1月17日、森の奥深くに佇む廃道場
「久しぶりだな、エース」レナは昨夜自分たちを救出してくれた騎士を睨みつけた。
「元気そうだな、レナ」エースという名の男は、レナに丁重に頭を下げた。
「こちらはアレクシア、エレナの妹で、現アレクサンドリア国王、アレクサンドリア王でございます」
「昨晩は助けていただき、アレクサンドリア国民を代表してお礼を申し上げます」アレクシアは騎士に頭を下げ、心からの感謝を述べた。「まさかレナおねえちゃんがアルビオンの騎士を知っているとは思いませんでした」
「騎士ではありますが、私は国境を巡回しているだけです。『剣の王』の継承者たちに比べれば取るに足らない存在です」
彼は謙虚で、まさに騎士そのものだった。アルビオンの騎士が最強であることは誰もが知っていた。ウルクの最高位戦士1~10に匹敵するほどの実力だ。
「はいはい!もういいの…!」レナが口を挟む。「彼女が誰なのかは、あなたもよくしていますよね。あの時の話も聞かせる…」騎士は同意するように頭を下げた。
「まずは…」騎士はアレクシアを見た。「昨夜の出来事から見て、あなたの戦闘センスはよかったです。」
「でも…」アレクシアは新たな戦闘指導者の言葉に期待の表情を浮かべた。
「レナはあなたに近接戦闘を教えたのは間違いだった。」エースとして知られるアルビオン騎士はアレクシアの周りを回り、レナと向き合った。「…とはいえ、誰かが安全地帯に入ってきた時に身を守れるのは良いことだ。だが、そうなれば君の魔法能力は無駄になるだろう。」
「つまり、彼女は逃げ隠れているということか。」レナは怒った。
「戦闘は蹴ったり、殴ったり、切ったりするだけじゃないんだ」エースは首を左右に振りながら、持っていた鞄から何かを取り出した。
何かの改造された拳銃のようなものだが、銃身には鋭利な片刃の刃が組み込まれていた。マグナムリボルバーによく似たデザインだった。ハンマー、トリガー、シリンダー、銃身、銃口、そしてもちろん刃まで、銀でできていた。グリップは木製だった。それぞれの銃身には「アルテミスとダイアナ」という文字が刻まれていた。彼女の新しい武器は「ガンダガー」と呼ばれていた。
アレクシアとレナはついに、エースの訓練の目的を理解した。
「確かに、魔法を使うのが目的なら、歌いながら敵を遠距離に追い込める武器が必要だな」アレクシアは有頂天になった。
そのアイデアは理論通りだったが…とはいえ、アレクシアは、大きな音のする武器を撃ちながら歌わなければならないと考えると、少し気が引けた。だが、それが彼女にとって互角に戦える唯一の方法だった。
「もちろん、レナの努力と君の【レガリア】を併用することはできるだろう。」【アレクサンドリアの『レガリア』】は木製の短杖型で、唯一の取り柄は、射程範囲内であれば術者の魔法を増幅できること。さらに、ガンダガーの刃と組み合わせることで、遠距離、中距離、近距離の戦闘を視覚化できる。
銃は敵を寄せ付けず、【レガリア】の増幅された力で複数の敵を殲滅させる。もちろん、敵が戦闘可能な距離であれば、ガンダガーの刃も使用可能だ。
「陛下の訓練は大変でしょう。」エースは再び頭を下げた。
「さあ始めよう!」アレクサンドリア王はエースの熱意をかき立てた。
アレクサンドリア国王の訓練期間はわずか30日間。そのスケジュールには、両王国の同盟を結ぶことも含まれていた。しかし、同盟の真の担保はアレクシアの訓練ではなく…ジンとエレナの居場所に関する情報だった。
もちろんアレクシアはこの取引を知らなかった。アレクシアの訓練は、エースがレナに過去から負っていた借りだったのだ。アルビオン国王であり、初代国王であるレナが、ジンとエレナの居場所を仲介したのだ。
それから10日が経ち、アレクシアは訓練のスケジュールと日課に慣れてきた。
森の奥深くに佇む廃道場、2013年1月26日
パッシ
アレクシアは道場の外で基礎訓練をしていた時、道場内からドンと叩く音、そしてドスンという大きな音が聞こえた。騒ぎの真相を確かめようとしたその時、レナが部屋から出て行くのが見えた。レナは泣いており、二人の目が合うと、さらに涙が溢れ、駆け出してしまった。
それから丸3日が経ち、彼女は悲しい知らせを持って戻ってきた。
「アレクシア、訓練はどうだい?」
「順調だ。これでヤマト王の近衛兵に勝てるかもしれない。」
「なるほど。しばらく一人にしておく心配はないな。」
アレクシアはすぐに、涙に濡れた自分の目でレナの目を見つめた。ジンとエレナを探すために旅立つことは分かっていたが、愛する人たちが皆、自分のもとを去ってしまうという思いに、どうしても耐えられなかった。
「大丈夫。今度来る時は…エレナと必ず行くわ」あの日、レナとエースに何かあったのか、彼女は急遽出発した。しかしアレクシアは、別れを告げる前にレナをぎゅっと抱きしめた。
「そう、今度会う時は3人で」と、彼女は独り言を呟いた。
アレクシアは今、アレクサンドリア図書館に牙を剥くヤマトへの反撃の準備を整えていた。ヤマトはこの攻勢にどう立ち向かうのか?家族を求めるそれぞれの姫たちは、どんな戦いを繰り広げるのか?
疑問があれば、次は答えを。




