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Kings of the Midnight Congregation♛白き虎と輝く亀と迷子の姫たち  作者: 冬月・かおり
Creating Memories 02: 愛の形 ♛ 姉の愛 (エレナ・ボロメオ)
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Part 2


アレクシアの姉、エレナ・ボロメオは、会衆の間で「ユディキウム反乱」として知られる出来事の際、死亡したと思われていた。しかしアレクシアは、姉の死をどうしても信じようとしなかった。


そのため、彼女は真夜中の会衆の王国の一つに潜入し、反乱に至った経緯、そして最終的には姉エレナの失踪の詳細を調査することを決意した。


エレナの温かさに幾度となく救われたこと、そして彼女が傍らにいてくれたことで孤独を感じなかったことは、アレクシアの記憶に今も鮮明に残っている。あの夜、レナからエレナがもう家に帰らないと告げられた時の、アレクシアの衝撃も鮮明に記憶されている。


フィリピン、セブ市。2010年3月29日 午前6時

「…エレナおねえちゃん…!」


アレクシアは息を切らして目を覚ました。一人でいるという悪夢を見て、目が覚めてもその考えが怖かった。まるで世界が彼女を置き去りにしてしまったかのような現実だった…姉のエレナさえもそこにいない…


「どうしたの、アレクシア?」エレナは熱が下がったか確かめるように、アレクシアの額を撫でた。「心配しないで。ただの悪夢よ。」


ぐすんぐすん - 「わーっ!」


いつも泣き虫のアレクシアは、自分の気持ちに素直になり、姉の膝の上で泣いた。夢はまるで現実のようだった。エレナなしでは生きていけない。それがアレクシアが自分に植え付けた思いだった。


エレナは彼女にとって唯一の家族だった。母親を亡くし、役立たずの父親に見捨てられた後、アレクシアの傍らにいてくれたのはエレナだけだった。両親に会ったことのないアレクシアにとって、母親像は常にエレナだった。アレクシアにとって、彼女はまさに理想の姉弟でした。


面識のない親戚からの経済的な援助は一切ありませんでしたが、エレナはアレクシアが可能な限りの栄養と教育を受けられるように尽力しました。やがてアレクシアは、誰もが知る、不器用ながらも芯の強い女の子に成長しました。


エレナは厳しく、アレクシアが自分に甘えられない少女に育つよう気を配っていた。しかし、アレクシアはエレナから遠く離れることなど夢にも思わなかった。まるで、エレナがアレクシアに自立するよう躾ければさせるほど、アレクシアはエレナにますます依存するようになったかのようだった。


だからこそ、エレナはアレクシアと過ごす時間を少なくし、恋人…ジンの理想を叶えることに力を注ぐようになったのだ。


「エレナおねえちゃん、付き合っている人はいるの?」ある晩、アレクシアはエレナに尋ねた。


アレクシアは少し不器用だったが、とても鋭い洞察力を持っていた。仕事から帰ってくると、エレナの態度にいくつか変化が見られることに気づいていたに違いない。いつも幸せそうに微笑み、ラブソングを口ずさんでいる。アレクシアは姉の幸せを嬉しく思っていたが、姉の愛に匹敵する存在ができたとは思えなかった。


「は?」と、突然の質問にエレナはひどく動揺した。


エレナは、ギャングに加わり、ライバルのギャングのメンバーと激しい戦闘を繰り広げていることを、あらゆる困難にもかかわらず隠していた。言うまでもなく、エレナはギャングのメンバーにも妹がいることを隠していた。これは秘密だった。二人だけが知る秘密だった。


「どうして急に私の恋愛に興味を持つの?」エレナはからかうような口調で彼女をなだめようとしたが、アレクシアは彼女が想像していた以上に真剣だった。


「質問答えて。」


エレナにはジンという大切な人がいた。しかし、このジンもまた、エレナに年下の家族がいることを知らない。エレナはアレクシアが自立できる年齢になるまで、この秘密を隠しておこうと思っていた。そして、まだアレクシアにそのことを告げる時期ではなかったのだ。





「…ふーん…もし見つけたら、どうする?」エレナはからかうような質問をした。


答えは明白だった。アレクシアの目から涙が溢れた。


「お願い、エレナおねえちゃん、私を一人にしないで」エレナはただ微笑んだ。


「……たとえ世界が終わっても」それがエレナの答えだった。彼女はアレクシアから離れない。たとえ恋人ができたとしても。


安堵したアレクシアは、ようやく目を閉じようとした。


「ずっとあなたを愛しているわ、私の子よ…」そう言って、エレナはアレクシアにキスをした。


森の奥深くにある廃道場へと向かうアレクシアの心の中で、その記憶は幾度となくよみがえった。そして、また幾度となく、その記憶が蘇ってくる。


フィリピン、セブ市。2011年8月14日 午後9時12分

エレナはその夜遅くに帰宅した。初めてというわけではなかったが、アルバイトで遅くまで働いている頃と比べると、彼女の顔色はすっかり青ざめていた。


「おねえちゃん、どうしたの?」とアレクシアは妹に冷たい水を差し出した。


エレナはすぐには答えず、ゆっくりと水を飲んだ。14年間も一緒に暮らしてきたアレクシアは、何かがおかしいと感じていた。しかし、エレナが落ち着いて自分で話せるようになるまで、アレクシアは待った。



「アレクシア、レナ姉ちゃんのこと好き?」


「ええ、レナおねえちゃん好き…まあ、あなたに次いでね。」アレクシアは優しい笑みを浮かべた。


エレナはそれを聞いて嬉しかった。もし自分に何かあったら、レナがきっとアレクシアの面倒を見てくれると分かっていた。レナは元々アレクシアの恋敵で、エレナが所属していた【IUDICIUM】の中で、妹の存在を知っているのはレナが二人目だった。


「レナおねえちゃんに何かあったの?」


「いいか、アレクシア。もし何かあったら…」アレクシアは会話がどうなるか分かっていたし、それが気に入らなかった。


「レナおねえちゃんが私の面倒を見てくれるって分かってる。」アレクシアは真剣な顔で、エレナに言い終わるのを我慢したかった。「…それに、あなたは私から離れないと約束したでしょ。」数日前に姉が言ったセリフを、まるで妹に覚えているかを確認するかのように繰り返した。


エレナは、アレクシアが約束を破ろうとしている自分を決して許さないだろうと確信していた。


「ええ、あなたと私たちはずっと一緒にいると約束します。あなたを一人にしたりはしません。」その言葉に、アレクシアは眠りに落ちた。


「エレナ。」窓の外から声が聞こえた。アレクシアは深い眠りに落ちていて、声は聞こえなかった。エレナは声の主が、地下組織最強の孤高のギャング、【死の使者】だと確認した。彼は黒いボロボロのコートに白い石仮面を被っていた。奇妙なのは、その仮面に眼孔らしきものがないことだった。彼は一体どうやってその仮面を通して見ているのだろうか?


あの日よりもずっと前から確信していたエレナは、ついに妹に別れを告げた。

メモのような形で。そこにはこう書かれていた。


♡ ♡ ♡ アレクシアへ ♡ ♡ ♡


ごめんね。


いつも愛してるわ。


エレナ



フィリピン、セブ市。 2011 年 8 月 16 日 – 午後 10 時

アレクシアは涙が止まらなかった。そのメモは彼女が眠りについた夜に書かれたもので、彼女は最愛の妹にもう会えないという予感がしなかった。


「エレナおねえちゃん、どうして…*鼻を鳴らして…私を放っておいたの?」


「あなたは私から決して離れないと言いました。」アレクシアの涙が止まらない。



「……アレクシア」その声はエレナの唯一の友人であり、アレクシア自身も彼女をおねえちゃんと呼んでいたレナからだった。


「…レナおねえちゃん!!!!」レナも同じ気持ちで、アレクシアに悪い知らせを伝えようとしていた。


「アレクシア…落ち着いて私の言うことを聞いてください…」レナは涙を流し、アレクシアは悪い知らせが来ることを半ば予想していた。


「レナおねえちゃん…エレナおねえちゃんはどこ?」


「聞いてください。」


レナはアレクシアにすべてを話した。エレナが【IUDICIUM】と呼ばれるギャング団に関わっていること、ライバルである【PHOENIX】、【WANG LONG】、【JUUJIKA】、そして【TRIbal】のこと、狂気に駆り立てられて反乱を起こした「ジン」のこと、そして反乱の果てに生まれるであろう結社、そしてエレナとの約束のこと。


その日から、レナは7日前にエレナに約束した通り、アレクシアの保護者となった。

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