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Kings of the Midnight Congregation♛白き虎と輝く亀と迷子の姫たち  作者: 冬月・かおり
Creating Memories 02: 愛の形 ♛ 姉の愛 (エレナ・ボロメオ)
4/15

Part 1



少女の前に、青白い顔をした女性がいた…


見慣れた顔…


温かい手、優しい笑顔…


少女はそれら全てを覚えていた…


その人物は少女に、懐かしい笑顔を向けた…


彼女の頬から涙が流れ始めた…


少女がその見慣れた顔に呼びかけようとすると…


手を伸ばそうとした人物は首を横に振った…


まるで近づくのを阻むかのように…


フィリピン、セブ市。2013年1月16日 午前5時10分

彼女は前方の人物に呼びかけたが、口からは声も音らしいものも出なかった。目の前の風景がぼやけていく…呼びかけていた人物が、別れを告げるように手を振る…少女は理由が分からなかったが、先ほどまで溢れていた涙が、ますます溢れてくるようだった…彼女の瞳は、これがあの人物に降りかかる最後の瞬間だと分かっていたのだろうか…分からなかったが、彼女を呼ばなければならなかった…追いつかなければならなかった…


「おねえちゃん…」と呼びかけるが、その人物は彼女から遠ざかっていく。


「おねえちゃん…エレナおねえちゃん!」彼女の声が、いつもの寝室に響いた。


それはいつもと同じ夢だった…少女が早朝に目覚める夢。まるで彼女自身ももう辿り着けない場所へ向かうかのように、姉のエレナが別れを告げる夢。夢の中で何が起こっているのか、少女ははっきりと思い出すことができなかった。ただ、一緒に過ごした時間が終わる時だけ、目が覚めるのだった。


少女の名はアレクシア・ボロメオ。悪夢のような夢から目覚めたばかりのアレクシアは、息を切らして泣き叫んでいた。目から溢れる涙は、バラ色の頬を伝い、その悲鳴はただ自分にしか聞こえなかった。姉の唯一の友人であり、現在は保護者でもあるレナから、姉の失踪の知らせを受けたこの16歳の少女は、これまで一度も安らかに目覚めたことがなく、今日も例外ではなかった。


昨夜はいつもより早く寝ようと決めていたにもかかわらず、同じ悪夢のような夢に悩まされ、疲れて目が覚めた。それでも、彼女は起きなければならなかった。今日から、レナの知り合いと共に修行を始めるからだ。


王として、彼女は臣民と守護者としての務めを果てしなく心配していた。しかし昨夜、レナが傍らにいてくれたにもかかわらず、12日前にアレクサンドリア図書館を襲撃したのと同じ襲撃者によって、彼らは再び敗北の危機に瀕していた。


フィリピン、セブ市。2013年1月15日 午後9時15分

図書館で二度目の襲撃が発生から12時間。彼らにできることは、避けられない敗北を待つことだけだった。


「シン、寝ている場合じゃないわ!」レナは、強烈な一撃を受けて倒れたアレクサンドリア騎士の一人に叫んだ。


「あぁ!」倒れた騎士シンは立ち上がろうとしたが、襲撃者たちの激しい一撃を受け、立ち上がることもままならなかった。


アレクサンドリア王の護衛を任されたアレクサンドリア騎士は、いまだ立ち上がれないことに恥ずかしさを感じていた。彼が生き延びることができたのは、彼を救うためにかけられた魔法の結界のおかげであった。「アレクサンドリア騎士」という称号を授かったとはいえ、それはただの称号に過ぎなかった。この窮地に直面する中で、その称号も薄れつつあった。


「レナおねえちゃん…」アレクサンドリア王アレクサンドリアもまた、圧倒的な劣勢を悟り、極度のパニックに陥っていた。「このままでは…」彼女は言葉が見つからない――むしろ、襲撃者の攻撃に、この状況で声を上げることさえほとんど不可能だった。


「我々は防衛中だ。それだけに集中しろ…」アレクサンドリアの元主君であり、アレクシアの守護者でもあるレナが叫んだ。疲れていたとはいえ、助けが来ることは確信していた――重要なのは、それがいつ来るかということだけだった。


「どこにいる…!?」レナが言葉を言い終える間もなく、悲鳴が聞こえた。


「きゃあ!」アレクサンドリアは臣下と騎士たちを守ることに精一杯で、自分の身を守ることを忘れていた。


「…アレクシア!!」襲撃者の一人がアレクシアに迫り、アレクシアが地面に倒れるのを見て、レナの声は恐怖に満ち溢れた。


レナは必死だったが、彼女が助からないことは明らかだった。アレクサンドリア王の失脚を救うには奇跡が必要だっただろう。アレクサンドリアの王族と称号を奪う剣を彼らは見ていたのだ。


「いや…助けて…」八王国の一つ、アレクサンドリア王という重責を担いながらも、アレクシアはただ一人の家族を失い、探し求める普通の少女だった…。


「エレナおねえちゃん!!!」 彼女自身も長い間聞いていなかった声が響いた。


絶望が頂点に達したその時、影が剣を二つに折った。影と見間違えたが、その人物は確かに影のようだった…。黒いタートルネックのオーバーオールを羽織った、恩人は襲撃者の剣を二つに折っていた。全長7.35インチ、刃渡り6.75インチ、ダイヤモンド型の断面を持つ刃の両面に二重の鋸歯を持つ、ガーバー・マークIIコンバットナイフだけだった。


「この人、こんなところで何をしているの!?」襲撃者の一人は、自分の刃を止めた相手を見て、恐怖と苛立ちを隠せなかった。そして、攻撃をかわした新参者と即座に距離を置いた。目を大きく見開き、舌打ちをしながら仲間に口笛を吹き、その場から撤退するよう命じた。


「逃げるぞ!」


10日前、襲撃者らは日本語「脱出しよう」で話していた。これは、襲撃者が「結束の国、真の力の国」、ヤマト王国出身であることの決定打だった。命令が下ると、辺り一面に煙が立ち上り、忍者姿の襲撃者たちは姿を消した。


「どうしてそんなに時間がかかったの!?」疲れた笑みを浮かべたレナは、ようやく椅子に腰掛け、くつろぎながらため息をついた。


「助けに来てくれてありがとう…」アレクサンドリアは素直に感謝した。


アレクシアは起こった出来事に不満を抱いていた。彼らは戦いに負けそうになっただけでなく、先ほどの彼女の泣き声で、国民に「王」にふさわしくない弱さを見せそうになったのだ。


「アレクシア、知り合いのエースを紹介するわ」レナはそれ以上説明することなく、その人物をアレクシアに紹介した。「エース、こちらはアレクサンドリアの名を持つアレクサンドリア王、アレクシアだ。」


統治者として紹介されてはいるものの、アレクシア自身はこの戦いで見せた弱さゆえに、その称号にあまり誇りを感じていなかった。エースという人物はただ頷き、微笑みかけ…そして丁寧に頭を下げた。


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