主要人物
第3章終了時点での主要人物の紹介です。
【星宮 昴】
主人公。教育学部に通う大学生。
幼少期、父親からの家庭内暴力を受け、その影響で「音」への過敏な反応やPTSDを抱える。母親との二人暮らしの中で、母の深い愛情を受けつつも、その愛情が時に重く感じることも。小学校で出会った教師の存在が、彼に「教師になる」という夢を抱かせた。
大学生活では、恋人・沙月との甘い日々に溺れそうになりながらも、教育実習や教員採用試験を通じて成長していく姿が描かれる。母との関係や、自分の未熟さを受け入れる過程で、自立する決意を固める。
【白石 沙月】
すばるの恋人。同じ教育学部に通う大学生。
明るく社交的に振る舞う一方で、自己評価が低く、自分に自信が持てない性格。周囲に流されやすく、「必要とされたい」という強い願望を持つ。
大学時代、すばると恋人関係となり、彼を支えたいと努力するが、すばるの夢に向かう姿を目の当たりにするたびに、自己の無力感を感じるように。彼に依存しすぎる自分に気づきながらも、彼との距離感に苦しむ。
卒業後、予備校講師としての道を選ぶが、自分の選択に対する迷いや葛藤が続く。すばるとの別れを経験し、彼の存在を改めて大きく感じる中、自分自身を見つめ直す日々を過ごしている。
【天野 遥香】
大学の友人。小学校教諭を目指す教育学部生。
明るく快活で面倒見が良く、周囲を引っ張るムードメーカー的な存在。沙月の高校時代からの親友でもあり、彼女を温かく見守りつつも時には厳しい意見を伝えることも。
教員採用試験を突破し、小学校教諭として新天地でのキャリアをスタートさせる。友人たちを支える姿勢は変わらず、沙月の悩みに気づき、さりげない支援を続けている。
【空野 裕樹】
すばるの友人。福祉学部に通い、社会福祉士を目指す大学生。
気さくで親しみやすい性格。誰に対してもフレンドリーで冗談好きだが、本質的には周囲をよく観察し、適切なアドバイスを与える現実主義者。遥香と恋人関係にあり、互いに支え合いながらそれぞれの夢を追いかけている。
社会福祉士として施設勤務の内定を得て、未来に向けた一歩を踏み出した。すばるや沙月の心情にも寄り添い、彼らを励まし続ける。
【星宮 詩織】
すばるの母親。離婚後、シングルマザーとしてすばるを育て上げた女性。
深い愛情を持ちながら、それが過剰な執着となり、精神的に不安定な一面を見せることも。すばるの自殺未遂を機に、彼を守らなければという使命感が強まり、結果として彼に重圧を与えてしまう。
現在は精神科病棟で治療を受けており、すばるとの距離を取りながら自分を見つめ直している。