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おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります  作者: きむらきむこ
健太の話

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 身体強化

もしかしたら頂いた感想を消してしまったかもしれません。

操作ミスです。申し訳ありません。

 健太は田中DP販売㈱という、まだ出来て10年位の会社に勤めている。

 新しい会社というのも尤もで、この世界にダンジョンが出来て、それから数年後に新設された会社だからだ。


 会社自体はポーションを作って売る、という、それが主な仕事で、日本中の注目を浴びる優良企業なのだ。

 

 なぜそんな会社に健太が就職することになったかと言うと、コネ以外の何物でもない。在所していた児童養護施設の先輩が、社長の田中さんと知り合いだった、というそれだけの理由で、健太の居た施設からは毎年数人が就職している。なんなら、返済不要の奨学金を受けて大学に進むことも可能だ。

 


 健太が施設を退所するときは、まだ奨学金の話は目処が立ってなかったので、就職となったのだが、後から当時の社長の田中さんが「学校に行きたいんだったら、そっちの道に進んでもいいのよ?」と聞いてくれた。

 

 実際に、健太の先輩に当たる明里さんは治癒士の専門学校に進むことになった。今では、治癒士として立派に働いていて、将来は田中DP販売㈱のダンジョン関連の治療室で働きたい、と言ってるらしい。


 会社も最初の規模を考えると、大きくなった。普通の戸建ての一室で薬草をコネコネして、ポーションを作っていたのが嘘みたいだった。

 

 今の健太が働いているのは、採取部門だ。採取と言っても、薬草だけでなくモンスター退治をして、魔石やドロップ品を取ってくるのも仕事の一つだ。ポーション作成もやってはいるのだが、初期の頃のように毎日絶対やる、という風には行かなくなった。

 

 自分が採取部門でリーダーをしているなんて、と我ながらビックリだ。昔の自分に今の状況を教えたら、何かの間違いだろう?と言うに違いなかった。


 健太は、子供の頃から身体が小さくて、多分女性の平均身長と変わらない高さだ。ある程度は遺伝で、幼い頃の栄養状態が悪かったこともあるんだろう。


 施設に入ったのは、小学校入学前の健康診断であまりにも発育状態が悪いと、引っかかったのがきっかけだった。それから母親には、2回くらい面会で会ったが、いつの間にか来なくなって、そのままだ。今更会ったところで、きっとお互いに親子だとは分からないだろうと思う。

 

 そんな健太がダンジョンの中でモンスター退治をやってるわけなのだ。うちの部署に初めてやって来た若い世代には、大抵の場合、舐めてかかられる。

 

 今年の春の新人社員も例外ではなかった。


「浜崎さんが、このパーティのリーダーなんですか?社長のコネとか親族とか、忖度ですか?」と健太が席を外した休憩時間に小声で、他のパーティメンバーに聞いていた。

 

 健太はダンジョンの中で強化された聴力で、バッチリ聞いてしまった。苦笑するしか無かった。

 

 健太のダンジョンの中での身体強化を知っているメンバーは、恐ろしくて身も凍る、というのはこういう事かと思ったそうだ。

 

 健太は身体強化と水、風、土魔法をかなりのレベルで使いこなすダイバーなのだ。


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