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おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります  作者: きむらきむこ
本編

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33 春になって私たちは

 この春は花粉が多かったが、アップルティーポーションの普及で花粉症の人の苦労が少なかったらしい。


 らしい、と言うのはもちろん我が社でも販売はしてたけど、日本全国をカバーする程作るのは無理なので、ポーションの普及具合まで知らなかったから。


 以前、研修会を受けてもらった小塚商会が大規模に売り出したから、そっちを飲んだ結果だと思う。私も買ってみて鑑定してみたが、私の自作に比べたら2ランクくらいは下回ってたな、と自画自賛することになった。

 

 実はフルーツティーポーションをダンジョン省に送って、成分分析を頼んだ際に、再度研修を行っていた。前回と違い、水魔法で乾燥をできる人が増えていて感心した。


 私の製品は主に病院に出回ってたらしい。有り難いことに、史郎くんとくららさんの作るものもランクが上がり、買取価格が定価より上がった。2人のお給料も春から出来高制にしてる。人によって給与計算とかが複雑になったので、娘の有紗が経理事務として入社した。


 家内工業的な会社になってしまったが、キチンとやってくれるなら良しとして欲しい。有紗の上司として、彰良の紹介で来た林さん(中年男性、既婚)も雇った。林さんは彰良が高校生の時にケガで入院した際にお世話になった病院の事務方の人だった。整形外科をメインとしたかなり大きめの個人病院で、ソコに事故で入院したうちの息子をなぜだか気に入ってくれた林さんは、退院後も卒業や大学入学や就職といった折々に、息子を食事に誘ってあちこち連れて行ってくれ、お付き合いが続いていたらしい。


 その林さんがなぜうちの会社に、となったのはダンジョンのせいなのだ。林さんは私より一回りくらい年下で、病院ではそれなりの地位にいた人だった。


 ダンジョンができて、ポーションが出回り、病院にも治癒士が配置されるようになった。林さんが勤めていた病院は、特に整形外科がメインだったので、病院の収益的に打撃だった。(思うに整形外科やリハビリテーション科は、これから先細りするだろう)


 個人病院はホソボソと続けることにはなったが、多すぎる人手を手放すことになった。風が吹けば桶屋が儲かる的に回りくどい説明となったが、そういう理由で林さんは、伝をたどってうちに来たのだった。私としては、すごく助かっている。


 この春から明里さんは、治癒士の専門学校に通っている。公立の看護専門学校が併設で立ち上げたところなので、学費は安いが、近場になかった為に一人暮らしをすることになった。生活費も込で奨学金を出している。恵美さんやくららさんが、時々週末に差し入れに行ったりしているので、元気な様子は教えてもらってる。


 新しく入社してきた健太くんは、B棟男子の太一くんと元希くんに懐いているらしく、採取にレベリングにと頑張っている。


 康太くんと史郎くんは、時々経営者セミナーに行ったりしながら、ポーション作りやレベリングに励んでいる。


 新人の健太くんを除く全員が鑑定持ちになった。これはかなりスゴイことらしい。康太くんいわく「田中さんの非常識なやり方」の結果だった。



 


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