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おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります  作者: きむらきむこ
本編

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 恵美のお仕事事情 5

 みんなで相談に行ったが、私たちに都合の良い返事はもらえなかった。


 史郎とくららは、ダンジョンに行って採取作業をしているらしかった。 

最近、田中さんの会社から売りに出されたフルーツティーポーションに、疲労回復と抗アレルギー作用が有る事が分かり、ありとあらゆるダンジョンで樹の実類が採取し尽くされていた。


 わりと上の階層で採れることもあって、初心者や4桁ダイバーがこぞって採取している。きっと史郎たちもそれを目当てに頑張ってるのだろう。


 私と明里は、田中さんから鑑定を取れば、と勧められた。確かに鑑定があれば、普通の会社にも入れるよな〜、でも女王蜂は大変なんだよな〜と頭の中で色々と考えていた。


「恵美ちゃん、明里ちゃん、こんにちは」と声をかけられた。


「くらら、久しぶり、元気にしてた?」


「はい、今ちょうどダンジョンの帰りなんです。みんな揃って田中さんのところに行ってたんですか?」


「うん、ちょっと相談があって。でもダメだったかも」


「仕事の話ですか?それならきっと今頃、田中さんもグルグル考えてると思いますよ」


「どういうコト?」


「一旦お断りした場合は、やっぱり行けるかもとか、あとから色々と考えるらしくって。 多分そのうち田中さんから電話があると思う」


「そういう人なの?」「ええ、かなりお人好しな感じでね。ホントに良い人。人手は足りてないので、私はみんなと一緒に働けると嬉しい」


「次の春には新人が入るって言ってたよ」


「あ~、春から健太が来るのよ」


 私たちとはちょっと年が離れているので、あまり話したことはないが、健太は体が小さくてダイバーには向いてない感じの子だった。


 「くらら〜、証明書発行してもらった〜」史郎の声がした。


史郎は、簡易鑑定を取ったところだった。


「簡易鑑定って、史郎、女王蜂倒したの?大変だったんじゃないの?」

女王蜂を倒すには、それ以前に働き蜂がうじゃうじゃ湧いてくる。一匹ずつは小さくても数は暴力だ。私も鑑定は欲しいが蜂は面倒すぎて、躊躇してるところだった。


 史郎は言いたいことがあるが、言えない、と言うような顔をして、「また近いうちに飯でも食べよう」と言った。


 私たちは2人に手を振って、康太の部屋に向かった。


 晩ご飯を食べながら、みんなで鑑定を取る方向で頑張ろうと話し合っていた時、史郎から連絡があった。


「田中さんから伝言で、良かったら頼みたいことがあるから、明日の午前中に会社に来てほしいって」


 くららの言う通り連絡があったことに、一同喜んだ。

ポーション作り、教えてもらえると嬉しいけど、仕事を貰えるのも助かるよなぁ〜と、明日への期待感を大きくし過ぎないように、後片付けをしたのだった。




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