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おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります  作者: きむらきむこ
本編

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30/60

30 勉強しませんか?

  高橋くんによると、高校在学中に進学の学費を用意する前に、家賃と生活費を貯める時点で、いっぱいいっぱいになり、進学への気持ちが折れるのだそうだ。


 奨学金は、はっきり言って借金だ。

給付型奨学金を貰うのは、ものすごくハードルが高い。貸付型の奨学金を使って数百万の借金を背負って、就職ができなかったら…

男でも女でも、自分の人生がどういう道をたどるのかが分かり過ぎる位分かる。


 それでも、と強い意志を持つ人もいるが、そこまで自分に賭けられないほうが多い、というのも分かる。


 あれもこれもは望めない。残念ながらそれが現実だ。


「史郎くん、明里さん。ちょっと聞きたいんだけど、もし今から学校に行けるとなったら、行きたい?」と直接聞いてみた。やんわりとか何気なくとか、搦手からという言葉は私の対極にある。大人になってから、他人の思惑は読まないことに決めた。私もいわゆるコミュ障の一人と言うわけだ。


 「僕はもうイイっす、このままポーション作って、頑張ろうかなと思ってるっす」


「もし出来るなら、回復魔法を育てて治癒士になれないか、と思ったことはあります」と明里さんは言った。

 

 治癒士とは、治癒魔法を使って治療する新しい職業だ。

医師になるほどではないが、人間の体内のことをしっかりと学ぶ必要があるので、それなりに難関である。


「史郎くんはこのままで、明里さんは行けるなら学校に行きたい」


 そこで、もし行きたい気持ちがあるなら、学費を出すから学校に行きませんか?と明里さんに伝えた。将来的に学費援助の基金を立ち上げるためのモデルケースとして、やってみないか?返済は不要だし、無理にとは言わないけど、こういう話があると言うことで、考えて欲しいと説明したのだった。


「史郎くん」「なんっすか」


「この仕事続けるつもりなら、経営の方にも関わって欲しいの。私もいつまでも仕事できる訳じゃないから、早めに後継者を考えたいし」


「くららに、って思ってたんじゃないんすか?」


「もちろん、くららさんにも関わって欲しいけど、関わり方にも色々あるでしょ

経営とか製作とか」


「分かりました。でも僕も製作は続けますからね」


「当たり前でしょ、やってもらわないと困るわよ」


 史郎くんはくららさんに比べると製作の腕で劣ってると考えてるようだが、そんなことはない。回復魔法だって育ってきてるし、水魔法も使えてる。彼は頭が良くて努力家だ。だから会社全体を見て、経営を考えて欲しい。



 我が社の人間は皆ポーション職人になって欲しい。その上で、会社を動かせるようになって欲しいと思ってる。もし上手く行かなくても、ポーション職人と鑑定があれば、基本的には生きていけると思うから。


 うーん、でも会社経営って、私もしたこと無いしなぁ。

ある程度組織だって働いたことのある人に来てもらうべきだろうか?


 史郎くんと高橋くんを連れて経営セミナーとか受講すべきだろうか?

誰かにこれから勉強してもらうのも良いかもしれない。…今現在大学で勉強してる人に来てもらうのはどうだろう?インターンシップとか言って、ホントに経営させちゃうのはだめなんだろうか?









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