27 必殺技
結局、私は高橋くんたちを丸抱えで雇うことにした。
3月から雇う新人が1人いるので、それまでに女子2人にはポーション作りを練習させる。恵美さんは結婚前で立て込んでる時期ではあるが、本人がダンジョンに潜りっぱなしになるよりも良い、と言ってるのでイイことにする。
明里さんは、恵美さんとルームシェアしてたのを解消して、A棟の寮に入った。
高橋くんたち残りの男子はB棟に、春から入社する新人くんもB棟に入る予定。
くららさんは、最近ポーション作りのランクが一つ上がった。恵美さんと明里さんに教えていたのが結果として良かったらしい。
人が増えたので、細々とした家事をしてもらう為に寮母さんを新しく雇った。
これに関しては福利厚生として申請する予定。
くららさんは家事のやり方とかご飯の作り置きとか、勉強になりましたと言ってくれていたのだが流石に私の許容量を超えている。
B棟の3人には私のパワーレベリングに付き合ってもらった。
教会ダンジョンではない、他のダンジョンに遠征した。もちろん、その前に連携の練習を教会ダンジョンの下層でした。
B棟男子からは非常に不評だったが、運動能力に自信のないおばちゃんは強行した。結果として、やって良かった、としか言いようがない。全体を見てコーチングするという意識が彼らには皆無だったのだ。ソロなら仕方ないとは言え、2人以上なら声出し指示出しは不可欠だと思ってた私には衝撃だった。
若さと反射神経の良さとでこれまでやってきたらしいB棟男子も、私の考え方に驚いたようだ。予行練習というものは、なんとなくダラダラと「ヤラされる」ものであって、そこにあまり意味があると考えたことが無かったようだ。実際に遊軍という存在(私)を作り、警戒の方向を伝えたり討伐を手伝ったりする事で、戦闘行為が楽になったらしい。
連携の意味合いとか、あらかじめ練習してみて安全マージンを取るという考え方を身につければ、彼らはやはり強かった。
お陰で私もそれなりに深く潜ることが出来たのだった。
「電撃打つよ、しゃがんで」
3人はすぐさま言われた通りしゃがみこんだ。
バリバリバリバリ
ダンジョンボアが数頭、コゲコゲになってドロップを落としてから消えた。
以前から練習していた雷を出すのに成功した私は、更に調子に乗ってサイズを圧縮し、狙う場所に落とすことにも成功した。イメージを上手く掴めたら魔法として使えるようになった。
殺傷威力のあるピカ◯ュウっていう感じ。子どもの夢を壊すようで忍びないが、私も死にたくないのだ。
一応「電撃」と呼んでいる(10万ボルトと悩んだ)多分正確には高圧電流だと思うんだけど、イメージと言うことで。
この電撃が使えるようになってから、ダンジョンでもB棟男子の足を引っ張ることがなくなり、気分的にとても楽になった。時々フレンドリーファイアを恐れる彼らから、信用ならん、という目で見られる事があるが。
ちゃんとロックオン機能付きだから、大丈夫だって〜と言い聞かせてはいるのだが。




