24 簡易鑑定2
簡易鑑定士となった私がまずすることと言えば、やはり自作ポーションの鑑定だ。
ふむふむ、お茶っ葉がレベル4まで上がってる。
ドロップの中級ポーションを完全にカバー出来るようになったな〜。
中級ポーションと言えば、複雑骨折がきれいに治る。
前に高橋くんがダンジョンで骨折が治るのに時間がかかったと言ってたが、多分あれはレベルで言うと2ぐらい。単純骨折が治るくらいがレベル2、複雑骨折がすぐさま治るのがレベル4くらいだと思う。
ポーションのレベルは、初級(1〜3)中級(4〜6)上級(7〜9)で分けられている。レベル10以上はドロップアイテムにしか存在しない。千切れた四肢がくっついたり、数ヶ月以上の過去のケガが治ったりするようなものは、確実にドロップアイテムだ。
ポーションを作るようになってまだそんなに経ってないことを考えたら、レベル4を作れる私ってスゴイんじゃないの?いや、これからレベルアップが難しくなるのか?
中級までのポーションは外科的な処置をせずに、外科と整形外科にかかるようなケガを治すことが出来る。
上級ポーションは、治癒魔法を絡めたうえで内科の病気に効果がある。もちろん限界はあるけど。明らかな老衰には何を持ってしても効果はない。
人間の老化が細胞のコピーミスで起こるとして、ポーションや治癒魔法はコピーミスや外傷には効くけど、細胞のコピーそのものの限界、つまり寿命には効果はないのだ。
私やくららさん、史郎くんといったこの会社の社員が目指すのは、中級のレベル6から上級の7。ここまでをコンスタントに納品できたら、食いっぱぐれは無い。人の為になって、自分の為にもなる。
簡易鑑定で、気軽に自作のポーションの鑑定が出来るようになったので、(というか、鑑定書は義務なので)ある種育成ゲームみたいな気持ちで、ポーション作成に励む私だった。
史郎くんは最近水魔法が使えるようになった。
これが使えると、ポーション作りがかなり楽ちんになるので、本人も喜んでいる。特に、私がやっていたウォーターボールで蜂の巣退治をするのが目標らしく、くららさんと2人で、ダンジョンで練習しているそうだ。
今までは蜂の巣は見つけると火魔法で殲滅するのが基本だったらしく、森みたいに木の生えた場所ではそれなりに危険だったらしい。
私は私で、ダンジョンに潜って、水魔法と風魔法を多重起動出来るように頑張っている。小さい雲を作って気圧を高め、風で静電気を起こるところまでは出来たのだが、方向性をもたせるのがなかなか難しい。武器としての使用は、かなり先の話となっている。
ついでと言うか、こっちが本来は目的なんだけど、鑑定で薬草や樹の実を調べては、採取している。
樹の実によってビタミンの豊富さにバラツキが出るので、鑑定結果の良いものを選んで採取している。ドライフルーツにした時もやはり栄養価が高くなるので、お茶ポーションに加えると通常のビタミン剤よりも効果が良いような気がする。これもダンジョン省の検証に期待しよう。




