22 ドロップアイテム
評価、ブックマークをありがとうございます。
とっても嬉しいです。
私の起業した会社だが、ものすごくシンプルに「田中DP販売㈱」とした。
子どもたちは大ブーイングだったが、ポーション作って売るんだから判りやすくって良いじゃん。昭和の感性が身に付いてるんだもん。あ、でもバブルの経験があったらもっとシャラクサイ名前にしてたかも。
A棟の方に看板と言うか表札で会社名を出した。
主にこちらでポーションを作るので。
会社を立ち上げて、2ヶ月たった。
私が作る荒茶ポーションのバリエーションを揃えてダンジョン省に納入したアガリが、会社の収入源となっている。
回復魔法のレベルを少しずつ上げているので、まだ今のところ日本で1番効果のある荒茶ポーション作成者だ。
くららさんも史郎くんも頑張ってくれているのだが、私たちの課題は鑑定者が居ない、に集約される。
作ったものの評価が分からないので、私が作ったものでさえ鑑定料がかかる分卸値から差し引かれてしまう。
ダンジョン省へ納入する商品は、鑑定書が必要になる。
鑑定書を発行できるのは、最低でも鑑定3を持った人に限られている。鑑定3は、品質をかなり詳細に保証できるレベルなのだ。
鑑定3を使える人は、数が少ない上にひっぱりダコなので、こんな小さい会社にそうそう来てはくれない。ダンジョン省と提携している鑑定士が納入商品を鑑定するので、鑑定書を付けていない商品は鑑定料を差し引いた金額での買い取りとなるのだ。
「やっぱり簡易でいいから鑑定、欲しいねぇ」
「自分が作ったものの効果が分からないって辛いですぅ」
「卸値から鑑定代が引かれるって、キツイっす」
「大手みたいに鑑定員、囲えないからねぇ。ドロップ狙ってダンジョンに行く?
鑑定取ったら、お手当てプラスするよ~」
簡易鑑定は鑑定のレベル1〜2で出せる鑑定書で、公式ではないものの、簡易鑑定書をつけて販売できるので、ダンジョン省の売店にそのまま出せる。鑑定料が不要になるのでダンジョン省に納品するような業者は、できる限りコレを持っている。
一応調べたのだが、簡易なやつはダンジョン蜂の女王が落とす。
つまりは蜂の巣退治が必然となる。
行く前に準備と言うか練習が必要だな。
毎日、サッカーボールを蜂の巣に見立てて水魔法で囲む練習をした。
まさしくウォーターボール。
くららさんと史郎くんには「ウォーターボールをそんな使い方する人は初めて見ました」と呆れられたが。
ダイバーとしてもレベルアップがあったら良いなぁと取らぬ狸の皮算用、というやつで、今から精算時が楽しみだ。口座にいくらあろうとも、お金は邪魔にはならないのだ。昔の人は上手いこと言ったものだ。
そして、2人一組の交替制で、毎日ダンジョンに行くこと数ヶ月。蜂の巣が毎回あるわけじゃない上に、ドロップするのが鑑定とは限らないのでガッカリしつつも、ローヤルゼリーやハチミツのドロップにニマニマしたりと、頑張った。




