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おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります  作者: きむらきむこ
本編
2/60

2 私でもランクアップ

 紙石鹸と水のボトルで手を洗いながら、お昼ご飯のおにぎりを食べようとしていた時だった。


 普段見るより大きいサイズのスライムを見た。

思っていたより近くにいたので、お弁当を含めた荷物を守る為、金槌を再度握って、突き立てた。


 核とドロップが出た瞬間に、身体に異変があった。


 どうやら、ダイバー講習で聞くところのランクアップ、をしたらしい。


 大したアップではなかったが、初めてだったので少しばかり混乱したが、しばらくしたら落ち着いた。


 ダンジョンに通って半年、ランク1がランク2になった。


 これまた驚きなのだが、ランクが上がると、簡単な魔法が使えるようになるそうだ。


 魔法は、倒した魔物によって種類が異なるが、この場合対象がスライムなので、しょぼい水魔法、である。


 どのくらいしょぼいかといえば、1日に一回手を洗える程度だ。 

呪文もなにもいらない。必要なのは、魔力とイメージだけ。


 これから魔物を倒して、ランクアップしていけば、魔法の種類が増えたり魔力量が増えたりもするのだが、この先も手を洗う以上の事ができるようには思えなかった。


 ランクアップもあり、今日は早めに上がると決め、再度手を洗おうと、試しに自分で水を出してみた。


「水!!」

水は出たけれど、イメージ不足なのか、水道のようには出なかった。

頭の上からびしょ濡れになってしまった。


 タオルで目に入った水を拭きながら、荷物を持ちその日は帰宅したのだった。

ちなみに、その日の上がりは4200円

(税込、ダンジョン税は1割、世知辛さに泣ける)

 

 翌日、目が覚めると世界が鮮明だった。


鮮明と言うと、ちょっと大げさ。

いつもよりは少しばかりピントが合ってた、と言うのが正しい。


 近眼で老眼の私は、裸眼だとほぼ自分の顔が見えないのだが、その朝は明らかに見えた。矯正のゆるい眼鏡で見える程度には。


 コンタクト入れてたっけ?と、洗面所の鏡を見直して、裸眼だ、と気付いた。 


 それこそ、前に使ってた古い眼鏡を出してきて掛けたら、丁度いい具合によく見えた。


 近眼の人間からしたら、ほんの少しでも見える、と言うのは世界が変わる。

ランクアップの成果か、はたまた水魔法のお陰なのか、それとも全くの気のせいか、しばらく動けないくらいに呆けたのだった。


 


 



 


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