13 相談2
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「これ、ほんとにポーション?」異口同音に姉弟が言った。
自分で作ったこと、今、知り合いのダイバーに色々と試してもらっていることを2人に説明した。
「私が作ったものは効き目があるんだけど、他の人が作っても効果が有るかも調べたいの。その前に私のスキルを鑑定してほしいのよ」
「スキル次第でポーションの効果に差が出るかも、っていうこと?」
高橋くんの水で作ったお茶ポーションは、効果が出るのに時間がかかった話をした。そのへんの差の出方を説明するのに鑑定が必要なんじゃないかと考えた事を姉弟に語った。
私と同じようなスキル構成の人が作ったら、効果も同じように出るんじゃないかと。
「それで、効果が期待できたら特許取って作り方の公開が出来るでしょ。そのまま起業出来るかなあって、期待してるんだけど…」
「あ、それからこっちは割と自信作なんだけど」と言って娘に化粧水を渡した。
1か月分くらいあるから試してみて欲しい。そしたら良さが分かるはず。もう手放せなくなるよ~。
「お母さん、これ使ってるの?」
娘は化粧水と私を見比べて聞いていた。
「そうそう、最近は周りの人から若返ったと評判なのよ〜」
「うちの嫁さんも欲しいって言うと思う」
息子が、私の顔をじっくりと眺めてからそう言った。
「それと、僕が鑑定する人を紹介するのは良いけど、特許とか会社立ち上げとかに手を貸すのは、立場的に微妙かも。その辺は明確にやってない、ってことにしといた方がいいから手を出さないよ」
全部やってもらおうと思ってたのに、早くも目論見は破綻してしまった。
「詳細な鑑定っていくら位するの?」
「1人4〜5万ってところだと思う」
「何処でやってくれるの?東京?」
「信用できる人って言われたら、東京になるな」
「有紗もダイバー資格持ってるでしょ?一緒に視てもらおうよ」
ついでにダンジョン特許の申請も東京ですることにした。
3人でいつ東京に行くかを打ち合わせして、その日は解散した。
その日の夜、興奮した娘と息子の嫁から各々連絡があった。
化粧水は今後とも下さい、と言うことを其々の言い方でお願いされた。
私は効果が出るのに時間がかかったけど、彼女たちはやはり劣化が少ないからすぐに赤ちゃん肌に戻ったのかなぁと、悲しい考察が頭をよぎる。
それでも自作の化粧水(これも一種のポーションだよね)の効果を認められるのは、非常に喜ばしいことだった。
鑑定の結果次第で、娘にも一緒に荒茶薬草を作ってもらえたら良いな、とか、高橋くんのお茶ポーションのアンケートで、荒茶薬草の使用法にも指針が見えてくるだろうな、とか宝くじを買ったばかりの時のような高揚した気持ちで、なかなか寝付けなかったのだった。




