表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様の外交官  作者: 山下小枝子
第一部 第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/267

13 セロの部屋。

 足どり軽く、るんるんと夜道を歩くセロについていくヨウと佐知子。

 炊事場を通り食堂を通り、そしてまたあの、真っ白な大理石の廊下に入って行く。


 大理石の廊下は点々と、両脇に等間隔にアズラクランプが吊る下げてあり、色とりどりのガラスを通った光がさまざまな色を放ち、照らしている。


(綺麗……)


 歩きながら佐知子がランプを見上げていると、廊下に入ってすぐの、右の部屋へとセロは入って行った。


「入って、入ってー!」


 そう言われ、ヨウの後に続いて部屋へと入った佐知子は、中を見てぎょっとした。物の多さに。


 部屋は国事部と同じ位だった。

 学校の教室、一部屋位はあるだろう。その部屋のいたる所に鉄で作った機械のような物や、謎の文字が書かれた石、標本、骨……色々な物が無造作に置かれていた。


 この部屋も簡素なアズラクランプで照らされており、オレンジ色の灯りのせいで余計に不気味な雰囲気がある。魔術師の部屋と言われたら信じてしまいそうだ。


(そういえば、セロさんは何の長官なんだろう……)


 先程の使用人小屋での『セロ長官!』という言葉を思い出す。

 こんな部屋も与えられているのだし、歳は若く見えるが、偉い人なんだろうなぁ。と、佐知子は思う。


「はいはい、サッちゃんそこ座って。ヨウも」


 セロはいつもそこに座っているのであろう、鉄に植物の蔓を編んだ、背もたれのある座り心地のよさそうな椅子に座ると、目の前にごちゃごちゃとある大理石のテーブルの上の物を腕で無理矢理、脇へと押しやり、空間を開けた。そして、取っ手のついた手持ちのアズラクランプを近くに置き、手元を照らす。


 佐知子とヨウは黙ったまま並んでセロの向かいの、鉄と綿のクッションでできた丸椅子に座った。


「さぁ! 拝見!」


 セロは両手を広げて、顔いっぱい、きらきらと輝かせて言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ