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神様の外交官  作者: 山下小枝子
第一部 第三章

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10 ハンムの中。

 ハンムは昔ながらの銭湯と似た造りだった。


 佐知子はスーパー銭湯には行ったことはあるが、昔ながらの銭湯には行ったことはないので、テレビで見たことのある銭湯と入浴方法しか知らないが、大分似ていた。

 ただ、入場料は無料だった。


 入口を入ると、さらに男女別の入口へがあり、その先には薄い黄土色のレンガ造りの広い脱衣所が広がっていた。

 所々に、先程説明を受けたアズラクランプが吊るしてあったり、置いてあったりし、少し薄暗いが、オリエンタルで幻想的な雰囲気をかもし出している。


 脱衣所の中央では中年の女性たちが絨毯の上でクッションを背に、カンラ姿で談笑していた。壁にはレンガで仕切られた棚があり、荷物を入れるようだ。

 しかし既にここから、もわっとした蒸し暑さがあるのを佐知子は感じていた。


「タオルと石鹸だけ持って行くんだよ」


 ライラは棚に服を脱いで置いていく。


(やっぱり全裸だよね……まぁ、いいけど)


 スーパー銭湯や温泉などで抵抗はあまりない。佐知子はそう思いながらカンラを脱ぐ。カンラを畳んでいると視線を感じた。ライラがじっと佐知子を見ている。


「な、何?」


 思わず佐知子は問う。


「いや、その下着? めずらしいなーと思って」

「あー……うん、そうかもね……」


 案の定の質問に、佐知子は苦笑いして答えた。


 健康診断の時にカーシャにも言われたが、今、服を脱いで行くライラを横目で見ていて本当なんだと実感した。


 この世界……この村だけなのかどうかはわからないが、本当にブラジャーの替わりに晒を巻いただけ、パンツにいたっては履いていなかった。


 佐知子は少し、いや、かなり驚いた。が、元の世界でもそういう国、地域はまだあるしなぁ。と思いながら、別の重大な問題に頭を悩ませていた。


(パンツ……替えないんだよなぁ……どうしよう……ノーパンは辛い……慣れるかな……)


色々と考えながら佐知子はブラジャーとパンツを脱ぐ。


「行こっか」

「うん」


 服を脱ぐと、ライラに声をかけられ、二人は扉のない石で出来たアーチの狭い入口を通り、浴場の中へと入った。

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