表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様の外交官  作者: 山下小枝子
第二部 第八章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

260/267

9 他人行儀に。

 翌日、佐知子はセーラー服の脇のチャックを締め、赤いスカーフを胸の前できゅっと結ぶと、鮮明には見えない鏡を見た。

 そこにはこの世界に来たときの自分の姿がぼんやりと見えた。

 肌はずいぶん焼けたが……。


 昨日、ハーシムと黄が部屋を出て行ったあと、国事部の役人が面会の仕事の詳細を伝えに来た。

 時間は変わらず昼から日没まで、一時間の面会の後、十分休憩を入れてくれた事に佐知子は感謝した。

 村人との面会場所は病院の一室を借りることになった。

 明日、十一時に警護の者が迎えにくるので支度をして待っていて下さい。と言われたので待っていると、部屋をコンコンとノックする音が聞こえ、佐知子は鏡台の前から振り向いた。

 ファティマが扉を開けると、そこにはヨウと後ろに三人の男たちがいた。


「……ヨウ!」


 久々に会うヨウに戸惑いつつも、少し嬉しく微笑みながら佐知子が声をかけると、


「……神の使い、タカハシサチコ様の護衛はこの四人で行います。お支度は整っていますでしょうか」


 と、ヨウは瞳を伏せて言った。

 そんな他人行儀な……と、悲しくなる佐知子だが時間は待ってくれない。

 遅刻しては大変だ。


「……はい、準備はできています」

「では、参りましょう……」


 ヨウは瞳を伏せたまま答えると背を向けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ