5 五日後。
それから五日ほど……何の沙汰もなく、佐知子は貴賓室でハラハラしたまま毎日を過ごしていた。
ファティマやミンに、私の処罰どうなるんでしょう……と聞いても、わかりかねます。と言われ、セロは頻繁に遊びにくるが、ヨウはあれ以来、怒っているのか気まずいのか姿を見せなかった。
「セロさん……私の処罰どうなるんでしょうかね……」
シャイのグラスを膝の上で持ったまま、落ち込んだ様子で佐知子が問うと、
「さー……ハーシムさんと黄さんが決めることだからねー。まぁ、大丈夫だよ」
ここに来るとおいしいお菓子が食べられる! と、はちみつたっぷりのお菓子を食べていたセロだが、佐知子に問われ少し考えた後、笑顔で答えてまた口へとお菓子を頬張った。
「というか、ヨウどうしてます? 最近、来ないし……心配なんですが」
「あー……不機嫌に生活してるよ」
佐知子の問いに、呆れた表情でセロは返す。
「ヨウとも話さなきゃ……」
顔を下に向け、佐知子は重いため息を吐いた。
「まぁ、あんな病的な男の事は放っておきな、かまえばかまうほど病むから」
そんな……と、佐知子が思っていると、コンコンとノックの音がした。
ミンが扉を開くと、
「入るぞ」
ハーシムと黄がやってきた。
サチコは驚き、持っていたシャイのカップを落としそうになる。
「いよいよかー」
セロが隣で小さく言う。
慌てて佐知子は立ち上がり、ハーシムのもとへと近づいた。




