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神様の外交官  作者: 山下小枝子
第二部 第八章

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3 トトからの差し入れと微妙な空気。

「はぁ……」


 ヨウとセロと佐知子だけになった部屋で、絨毯に座りボスンと体をクッションに投げた佐知子。


「おつかれ~! なんかお茶とお菓子持ってきてもらう?」


 横に座ったセロがそう聞くと、コンコンとノックの音がした。

 ミンが扉を開くとそこにはトトが。


「あ……今、いいかな」


 佐知子はトトの姿を見ると慌てて立ち上がり入口へと駆け寄った。


「トトさん! どうしたんですか!?」


 そう問うと、


「あ……薬草茶……よかったら……リラックスできるやつだから……」


 トトは薬草茶の入った、ヨウがいつも持ってくる銀製の携帯器を渡してくれた。


「わー! 嬉しいです! ありがとうございます!!」


 佐知子は今度はどんなおいしいお茶だろう。と、喜ぶ。


「砂糖は、自分で入れてね」


 トトは少し微笑む。


「はい! ありがとうございます!」

「……じゃあ」


 そう一言挨拶すると、トトは部屋を後にした。


「やったー! トトさんのハーブティー!」


 嬉しそうに銀の携帯器をかかげながら、嬉しそうに笑って小走りに二人の元へと佐知子は戻る。


「……サッちゃん……いつトトさんとそんなに仲良くなったの?」


 セロはきょとんとしている。


「え? ああ、ノーラさ……難民の親子さんをアーマ宿舎に入れてあげようとしたとき、ちょっと相談して……それから色々あって、お家でハーブ……薬草茶いただいたんです。美味しかったなー」


 そう話しながら佐知子がにこにこしていると、


「……そう」

「…………」


 セロとヨウは微妙な空気を漂わせていた。


 え? 何? と佐知子は思う。

 特にヨウは……初めて見る機嫌が悪いような感じだった。


「あの……トトさんに薬草茶貰うの……ダメでしたか……?」


 佐知子がどうすればいか悩んだ挙句、問うと、


「いやいや! 驚いただけ! しかし薬草茶なんてよく飲めるねー、僕は飲まないよ。シャイおねがーい!」


 セロはいつもの様子に戻り、ファティマたちに呼びかけた。


「……俺も……シャイをもらう……」


 不機嫌なヨウもそう言う。


「えー! 美味しいのに! きっと!」


 佐知子がヨウを見ると、ヨウは不機嫌さと暗さが混じった雰囲気を漂わせていた。

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