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神様の外交官  作者: 山下小枝子
第二部 第七章

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2 言われた通りか自分の意思か。

 翌日。


「言語道断だ! ふざけているのか!!」


 珍しくハーシムが声を荒げた。

 貴賓室に来たハーシムは、不機嫌極まりない表情をしている。


「やっぱり……服はセーラー服で、スピーチの内容は私の言いたいことじゃ……ダメですかね……」


 そう、佐知子は昨晩ふかふかの天蓋付きベッドで考えた。


 自分が神の使いなのだから、用意された衣装で、用意された原稿を読むのは違うのではないかと。

 では、娼婦と間違われる服で、稚拙な自分のスピーチをして、受け入れられるかと問われれば自信はなかったが、心に思うことは確固としてある。


 自分のこの想いを伝えたい。


 と、ハーシムに提案したのだが……


「あんな娼婦の様な服で出て行ったら威厳も何もないだろう!」


 まずハーシムに服装のことを言われた。


「でも……あの服は私が異世界から来た……神の使いの証のようなものですし……」


 睨まれ怖いが、おずおずと、しかし腹部に力を入れ、佐知子は伝えたいことを伝えていく。


 ヨウやセロに言われた言葉を思い出して……。


「スピーチは何を言うつもりだ。お前の稚拙な言葉じゃ誰も納得させられんだろう」


 いつもより深く、ハーシムは眉間の皺を寄せる。


「そうかもしれませんが……」

「『そうかも』ではない。そうなのだ。いいか、私の用意した服を着て、私の用意したスピーチをしろ。わかったな」

「…………はい」


 言葉を飲んだ佐知子を見て、一つ息をつくとハーシムは出て行った。

 佐知子は大きなため息をつく。


「…………」


 しかし佐知子は……セーラー服を見つめ、固く決心していた。

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