7 シルクの高級カンラ。
「タカハシ様、終了いたしました」
「!」
またもや気持ち良さに寝てしまった佐知子は、ハッと目を覚ます。
「ごめ……あー……気持ちよかったよ、ファティマ、ありがとう」
「いえ、お礼は無用です。晒を巻かせていただきますのでこちらへ」
ファティマに促され立ち上がった佐知子は、胸に晒を巻かれそうになって、あ。と言葉を発する。
「あ、あの! ファティマ! 私が脱いだ踊り子みたいな下着あるでしょ? あれが私のせか……国での下着だったの。出来ればあれを着たいんだけど、荷物の中に代えがあるから……着てもいいかな?」
晒とノーパンはイヤだな……と思い佐知子が問うと、
「……かしこまりました。ただいまお持ちいたします」
要望はあっさりと通った。
ファティマは部屋へと行き、ミンと話しているようだ。
そして手に佐知子が頼んだ下着を持って戻ってきた。
「こちらでよろしかったでしょうか」
ファティマに問われながら差し出されたのは、いつもつけていた下着。
残りの二種類ずつファティマは持って来てくれた。
「あ、うん! ありが……うん、それで大丈夫。えっと、これとこれ着るね」
使用人にお礼を言わないのが偉い人と理解しながらも、言わないのはやはり罪悪感を感じる。けれど、お礼を言わないよう努める佐知子。
ブラジャーとパンツを履いた後、ファティマに着せられたのは、真っ白なシルクのドレスのようなカンラだった。
(え……こんなの着るの……)
と、佐知子は思いつつも、偉い人偉い人……と言い聞かせながら着たが、少しドキドキとして落ち着かなかった。
胸元と袖に白地のシルクに白い糸で立体的な綺麗な刺繍がしてある。
ウェディングドレスみたいだ……と思いながら、佐知子は綺麗な刺繍に見惚れる。
(綺麗だな……)
本当にこんなカンラ着ていいのかな……などと思いながらも袖を通すと、サラリとしていてとても着心地がよかった。
(凄いな、シルク……)
と、佐知子が感心していると、
「それでは、お部屋へどうぞ」
扉を開かれ先程の豪華な部屋へと促された。




