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神様の外交官  作者: 山下小枝子
第二部 第一章

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19 行動力を見習って。

「ノーラさん! 何とかなりそうです!」

           

 急いで手洗いうがいをし、ノーラ親子の病室の扉を勢いよく開け、佐知子は叫んだ。


「サチコ! ユースフが起きちゃうわ!」


 しーっと、ノーラが人差し指を唇にあてる。


「あ……ごめんなさい……」


 佐知子は静かに扉を閉め、そろそろとノーラが座る絨毯の上へと向かった。


「さっき知り合い……の様な方に聞いたんですが、役場に難民課があるそうなんです! そこに行けば、あーまの宿舎? に入れるそうなんです!」


 瞳を輝かせて膝立ちし、佐知子はノーラに伝える。


「……あーまって何かしら?」

「…………」


 すると、不思議そうにノーラにそう問われ、ぐっと佐知子は言葉に詰まってしまった。


「それ……は……聞けなかったんですが……」


 風船がしぼむ様に佐知子は静かに座り込みながら小声で返す。そんな佐知子にノーラはほほえんだ。


「……大丈夫よ、サチコ。とりあえず役場に行ってみましょう。それしか縋れるものがないもの。ありがとうね」


 優しいほほえみだった。佐知子は申し訳なく思いながらもほっとする。


「じゃあ、善は急げで今から……は、無理ですかね? いつ行けますか?」


 どうしてもノーラ親子に関しては急いてしまう、佐知子。早く安住の地を見つけてあげたいのだ。

「そうね……ユースフも安定して寝てるし、佐知子の行動力は見習わなくちゃね! 看護婦さんにユースフ見てもらって今から行きましょう!」


 ノーラは佐知子にほほえみ、やる気を出した。


「はい! 行きましょう!」


 こうして、二人は役場の難民課へと向かったのだった。

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