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神様の外交官  作者: 山下小枝子
第二部 第一章

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15 綺麗な中庭。

(あー、疲れた……ね、眠い……でも、行かなきゃ……)


 翌日、佐知子は朝番の仕事を終え、朝食を食べ終わると、カンラに着替えながらぼんやりとした頭で思う。


(ノーラさんとユースフくんどうなったかな……)


 そう思いながら軍用地の門を出て、右手のすぐ側の病院へと向かう。

 入口を通る時、勝手に入っていいものかと一応、受付に声をかけた。


「あの……入院患者さんの面会に来たんですが、何か手続きは必要ですか?」


 すると、受付のインド人風の初老の女性が、


「特にないわよ、誰に会うの?」


 と、聞き返してきた。


「えっと……患者さんはユースフというお子さんで、母親のノーラという方と一緒です」


 ペラペラと、おそらく入院患者の情報が書かれたパピスをカウンターでめくり、


「……隔離病棟ね。手荒いうがいしっかりね」


 初老の女性は、そう言ってほほえむ。


「はい!」


 ほっとして、佐知子はそう返事をすると、隔離病棟へと向かった。


 隔離病棟へと続く一般病棟の奥の扉を開けると、通路の左手、一般病棟と隔離病棟の間には中庭があった。


 そこには綺麗な花がたくさん咲いていた。


「わぁ……」


 佐知子は思わず声を上げてしまう。


 こんな気候なのに、こんな庭ができるのかと関心してしまった。


(はっ! いけない、いけない)


 足を止めていた佐知子は、レンガの通路を歩き、隔離病棟の中へ入る。そして手洗いうがいをして一番手前の右の扉へ向かい、コンコンと鉄の扉をノックした。重い扉が開く。


 そこには、昨日よりだいぶ疲労感、悲壮感が抜けたノーラがいた。

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