表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様の外交官  作者: 山下小枝子
第二部 第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

126/267

12 私の知らないこと。

「お母さんも身支度、整えられましたか?」


 すると、先程担当してくれた医師、アドルフがやってきた。


「先生……」


 佐知子は入口にいる医師へと振り向く。


「先生! この度は、息子を助けていただき本当にありがとうございました! しかも無料で! しかも、私もこんな身綺麗にしていただいて! 本当に感謝してもしきれません!」


 ノーラは医師の両手を握り、頭を下げ、大きな声で感謝の言葉を述べる。しかし、その言葉はアドルフにはわからない……困った顔をしているアドルフに、佐知子は通訳をした。


「患者を治療するのは私の仕事です。この病院が無料なのは、この村を作った代表のお二人が決めたことです。この病院は寄付で成り立っています。いつかあなたが寄付できるようになったとき、寄付してください。また、あなたのような人が助かります。難民を受け入れるようにしたのも代表が決めたことです。代表のお二人に感謝してください。……と、訳してもらえますか?」


 アドルフは苦笑する。


「あ、はい!」


 通訳をしながら、佐知子は思った。


 病院が寄付で成り立っていたことは知っていたが、難民を受け入れることをハーシムさんと黄さんが決め、こんなことまでしているとは知らなかった……。

 まだまだ自分の知らないことはたくさんある……。

 制度や事情や状況や秘密や世界や過酷さ…………。

 きっと私の知らないことだらけなんだろうな……と、佐知子は思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ