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初めての冒険

という話をしながら、条件をまとめていった。

結果

1 契約期間は1年毎に更新

2荒事はノワルが担当

3 余程の酷い命令以外は服従

4基本的に一緒に冒険をする

5主人をあと2人まで増やせる

6脱走したら即処分

となった。5に関しては、ノワルが何となくこうなる気がすると本人でもよく分かっていない様な様子で決めた。


ちなみに、2人以上の主人を持つ場合命令の優先権は早い方である。

とりあえず、大筋は決まったので、細かい事は、その時になってからという事になった。


正直、このご主人様は絶対になにかあると思う。

いや…何もない人は奴隷なんぞ買わないか…

『明日の朝から依頼がある。それについてきでもらう。つまり、お前の奴隷生活のスタートは明日の朝だな。』


『お、おう。』

奴隷生活か…どうなる事やら。


ある程度は自由に出来るから、犯罪奴隷とは違うけど…


『ま、そういうことだから、これからよろしく。明日の準備がかるから、またね。』


と彼女は去っていった。


-奴隷紹介所入口-

ノワルは興奮を抑えられない様子で、頬を赤み隠しながら歩いていた。

(なぜか分からないけど、彼がすごく気になる。主従契約によって、彼に私という存在が刻まれた。

そして、この繋がりを得た事により、

ノワルは自分の持つ"黒"に変化が起きた事を悟った。

("黒"が何かを得たみたいだ。なにか彼と私の間にあるようね。)

"黒"力を感じながら部屋に帰る事にした。


次の日


結局、元いた奴隷部屋で一晩すごした。

あんな美女と同じ部屋になってたら、緊張と興奮で眠れないだろうから、良かったかもしれんーなんで考えていたが、そんな事したらどうなるかくらいは分かる。

犯罪奴隷になったらもう終わりだ。

美女ではあるが、自分とは明らかに次元が違うと本能で理解してしている。

生命体として格が違う存在に、本能的に繁殖よりも隷属を選んだのだ。

とりあえず、冒険者ギルドの方で集合なので、行くぞ!

しかし、気合いを入れて向かうが、冒険者ギルドにはほぼ行ったことが無いので、道が分からない。

『そういや、酒場とギルドって繋がってた様な…』


冒険者ギルドの中に酒場があり、そこで多くの冒険者が作戦会議やパーティ組みや依頼の相談をしている。

そこの一角にノワルがおり、こちらに手を振って呼んでいる。

『おーい。ここよ〜』

その席に向かうと、彼女の手元には依頼書があった。

"ビックマウスの討伐"

とある。ビックマウスは鼻がやたらデカいネズミのモンスターだ。

あまり強くないが、繁殖力が強く放置すると大変なことになるらしい。

前歯で壁などをボロボロにしたり、畑を荒らしたりする。

食用としても重宝されているため、依頼はよく出るのだ。

『これなら俺でも勝てるかも。』

と言うと、ノワルは

『それでは行こう。』

と出発した。

街の近くの野原に出現するみたいなので、出入り口である大きな門から出て行き、しばらく野原を歩いていると、いた。

デカい鼻をもったネズミのモンスターだった。

5匹程度の群れを成している。

『いた。よっしゃ俺がやるぜ!!』とノワルにいいながら飛び出した。

コイツらこそがビックマウスである。

さあて!おれの…

『そ〜れ』

ドゴガアン!!!!!

突然、目の前にクレーターが出来ていた。

その中には全滅したビックマウスが転がっていた。


と後ろを見た俺に口を吊り上げながらドヤ顔をするノワルがいた。

手から魔力の残滓が黒く残っている。


『ちょ!?せっかく俺がやろうとしたのに!!』

魔法か??でも詠唱が聞こえなかったし、なんかな魔法?と考えていると

『魔力の塊をぶつけただけだ』

ノワルは淡々と答える。

(魔力の塊であんな威力でるのかよ…)

魔力の塊を撃ち込む事自体は当たり前に出来るが、きちんとした形で魔法として使う方が制御しやすい。

ここまでの威力となると、相当な密度を持っていたはずなので、呆れる他ない。

『すごいな…』

『魔力量には自信があるんだ。この程度は造作も無いさ。』

とサラッと言うから恐ろしい。

実際、涼しい顔してこんな事するとは…

『まあ、こいつらは殺してないぞ。』

え…


嘘だろ!?これで??

ボロボロでクレーターの中におり、生きてるようには見えないが、近寄ってみると、

わずかに息をしている。

『こいつの鼻の中にある水袋が良いんだよ。』

といいながら、ノワルは鼻を切り袋を取っている。

『これを得るためにってことか。』

『そうだ。こいつらに鼻水を撃たせる前に取らないと意味がない。』

ビックマウスは鼻水を放ち敵の動きを制限し、丈夫な前歯で攻撃を行う。

その際に鼻クソなどを含んだ非常に汚いモノを飛ばすため、撃たせる前に取るのだと。

『なにかに役立つのか?』

と聞くと

『肌に塗れば抜群の美肌効果がある。

余計な垢などを取れるし、皮膚の保護もできる。』

このビックマウスというモンスターはそういう意味でも隠れた需要があるらしい。

『こいつには、不屈というスキルがある。レベル1だがね。このスキルは自分の体力が半分以上残ってるとそれ以上のダメージを受けても生き残るものだ。』

そういいながら、魔力を使い小さな剣を取り出して止めを刺していった。

『なるほどな。肉や皮の他にもいろいろあるんだな。こういうのはどうやって知ったんだ?』

どうやって知ったのだろう。

誰かに聞いたのか、本とかに載ってるのか、自分で見つけたのか。

もし図鑑のような物があるならどこで読めるか聞きたいし、知ってる人がいるなら話を聞きたいのでと聞くと…

『ギルドにある資料室に行けばある。持ち出しは出来ないが、中で読んでも良い。色んな冒険に役立つ物がわかるぞ。』

と笑いながら言った。

そして真剣な顔で

『知る事が出来るのに、知らずに損をするは愚かだ。』

と言った。

その通りだ。

『なるほどな。俺はその資料をしばらく見たいんだが、良いかな?』

できれば、薬品の調合や鍛治や調理に役立つことがあって欲しいし、自分の身を守る事にも繋がるはず。

『まあ、構わないよ。そうだな…5日ほどでよく読んで来てくれ。。』

『ありがとう。今はとりあえず、これらをどうにかしよう。』

タカシは転がったままのビックマウスを捌きながら言った。

血の匂いがする物の場所にいつまでもいてはいけないのだ。

臭いに釣られて何が来るか分からない。

『そうね。私は空間箱使えるからそこに入れておきましょう。』

と言い、黒い穴を作りそこに放り込んだ。

『それ結構な高等スキルだよな。すごいな。

空間箱は異空間に物を収納できるスキル。

当然ながら、空間に穴を開ける事は容易では無いし、その中に入ってもおかしくならない様に制御する必要もある。

しかし、そこをクリア出来れば保管庫には最適である。無限の容量、腐る心配もない、盗まれることもない。という便利なものだ。

それを簡単にやってしまうのだからすごいのだ。

『コツさえ掴めば簡単だ。すぐに出来る様になるぞ。まあ、ひとまずこれでよし』

『ウソだろ…』

主人の力の片鱗が見え隠れしている事から目を逸らしつつ全て片付けて帰る事にした奴隷であった。

俺は奴隷なのに主人に運ばせている事になる事もスルーしていこうと思う。

だってしょうがないじゃん…

俺使えないし…と思いながら帰路についたタカシだったが、その途中

『グガァァァァ!!』と凄まじい雄叫びが空から聞こえた。

大きな影とともに翼を開けだ竜がに見える。

『ワイヴァーンの成竜ね。』

と冷静なノワルに驚愕しつつタカシは周囲を見まわし隠れる所を探すが、森が遠くに見えるくらいで、近くにない。

『おいおい!!うそだろ!?どうするんだ!?』

と慌てていると

『大丈夫だよ。こいつは王都に向かっているようだからな。』

王都の方を見ながらノワルは、面白そうに笑った。

『え?』どういう事かと聞こうとすると

ヒュゴォン!!という鋭い音共に王都から雷光の様なモノが飛び、ワイヴァーンを貫いた。

『あ、アレは一体…』

タカシが突然の出来事に呆然としていると、ノワルが答える。

『アレは王都にいるヘクスの弓矢だろう。騎士団の戦士隊の神童と言われているが、伊達ではない様だ。』

と感心している。

『王国騎士団って…あの!?』

"王国騎士団"

世界最高クラスの人材を揃えているとされる王国が誇る精鋭集団。

その中でも武力に秀でた者たちが所属すると言われている戦士隊である。


『たしか、平民から登用された神童だって…』

と答えるとノワルが言う

『最近の王国は実力主義の傾向が強い。先の凶王討伐の際に何かあったようでね。武力以外でも、優れた能力や才能持つ者を積極的に登用する様になったんだ。種族も関係なくね。』

タカシの修行していた店でも様々な種族が切磋琢磨していた。

これはそう言う事だったのだ。



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