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狂おしいほど愛おしい  作者: 詩音
8/12

タキ(2)

スズ:(怒りが爆発するように)お前!!

タキ:気づくの遅いっす、あにさん。本当に警察ってアホ。アッハッハッハ

スズ:(М)茶髪で、鼻筋が通った顔……ある意味、普通にいるイケメンの男性なのに

タキ:『神のみぞ知るキラー』が、目の前いるって、どういう気分?クスッ

スズ:(М)笑う顔が、スマートでイヤだな。あんな冷酷な殺し方をするやつが、どこにでもいそうな青年なんて信じられないし

タキ:じゃあさ、誰も知らないあの猟奇殺人鬼を、捕まえられるってわかったら?

スズ:(М)タキは、俺の前に両手を差し出した。

タキ:俺がやったこと、全部ちゃんと話すから。一緒に連れてってよ(声を震わせる)。悪かった、悪かったんだよ……

スズ:どうした?

タキ:俺、おれ……

スズ:(М)タキの様子が急に大人しくなったから、様子を伺うように近寄る。

タキ:ほんっと……単細胞。クスッ

スズ:ッ!?

タキ:(М)瞬時に両腕を捻り、背中を取る。すぐに、右肩の骨を外す。

タキ:被害者面してたあいつらが悪かったんだよ!

タキ:(М)そして、あにさんをべッドに突き飛ばす。

スズ:(М)うあ……あ

タキ:アヒャヒャヒャヒャ。左目も失って、利き手も使えなくなってかわいそう~アヒャヒャヒャヒャ

スズ:(М)くそっ!右肩が……めっちゃ痛い。

スズ:(М)そして、今になって左に白いもやがあるのに気付いた。夢はショウにやられたもんだったんだ。

スズ:んっぐ!うう……うあああああ!!

スズ:(М)やっと理解したら、耐えきれないすさまじい痛みに襲われた……な、なんだこれ。

タキ:アヒャヒャヒャヒャ。左目痛いでしょ、痛いよねぇ……義眼が慣れなくて、傷口に触れるから激痛が。ああ、たまんないなぁ

スズ:ぐあああああ!

0:間

スズ:(息切れをしながら)お前とトウパイの関係は、なんだ?

タキ:すぐ、本人に聞くのはダメでしょ。とうとう、推理まで放棄すんの?

スズ:(М)何事もなかったように、タキは、また、椅子に座り、くるくる回り始めた。

タキ:まぁ、俺っちのことがわからないのに、トウパイを、捕まえようとしてたんだもんね。ほんっと、ア・ホ

スズ:このや……ぐあああああっ!

タキ:アハハ。面白いね、あにさん。お礼に、少し教えてあげるよ。トウパイって、名付けたのは俺。ドイツ語で、『無感覚』って意味

タキ:あの子たちに、殺し方も、ターゲットも、指示していたのが俺。そして

スズ:(М)ハッとすると、いつの間にか、タキに抱きしめられていた。ダメだ……痛みに気が散って、状況把握が遅れている。

タキ:伊音スズのことを教えたのも、俺♪(耳元で囁くように)

スズ:(М)すごく気色悪い。逃げたいのに、なぜか逃げられない。

タキ:(М)あれ。左目切除と右肩脱臼しただけで、結構おとなしくなってない?あ、ショウちゃんのやつがトラウマになってんのか。ちょっと悔しいな

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